牝奴隷たちと御主人ちゃん 92
彼女たちが受け継いでいるのは、リリムである。
ガルディアスはソニア、エレアナとリリムを継承させてきた。三度目の降臨の儀式のために、さらに強力な魔物を自らに宿らせるための方法を求めていた。
シーラの肖像画には一匹の仔猫が一緒に描かれている。のちのネコマタのキヨマサである。
破戒の女魔導師はガルディアスに新たなる肉体を提供すると言った。
彼女は死霊祭祀書に教えを受けて、ガルディアスを破滅させるためにホムンクルスの肉体を作成した。ガルディアスによって退魔師にされた少女は復讐の機会を狙っていた。
ヤザンとの一騎討ちで左腕を失っていたが、ホムンクルスの腕を移植して左腕を得た。
邪神ガーバリムの体内の肉手は王の腕の失敗作といえるし、触手は王の触手性器、新種オークは皇女エレアナを凌辱したときに魔獣化したことの再現、妖虫や妖蛇は最初の魔獣化の再現である。
ガルディアスはエレアナを産ますために母親を苗床として犯し続けていた。
エレアナが生まれるまでに、何度も失敗作を産んだ。
エレアナとヤザンが肉体関係を持ち、皇子となる者をヤザンが産ませていれば、邪神ガーバリムが出現することはなかったはずである。
ガルディアス自身がエレアナに男子を孕ませようとすれば、皇后のようにエレアナが魔物を産み落とすと考えて、ヤザンと逃がした。だが、エレアナとヤザンは主従関係をつらぬき肉体関係を持つことはなかった。
かつて皇后の産んだ失敗作の魔物から王の新しい肉体が作られたのだった。その肉体で降臨の儀式を秘密の島で行ったガルディアスは邪神ガーバリムとなった。
そのまま魔界にガルディアスは吸収されるはずが、そうならずに遭難者のエネルギーを奪い、ホムンクルスとして復活した。
死霊祭祀書の知識で弟子で復讐を終えた魔導師は、邪神ガーバリムや降臨の儀式の後始末をするための退魔師育成の特殊施設を作り、ネコマタのキヨマサと海底ダンジョンに身を隠したのだった。人魚たちは退魔師の末裔である。
ソニア。
神聖ベルラント王国の皇子ガルディアスと息子に孕まされて皇女エレアナを産む苗床とされた。
ガルディアスの初体験はリリムに操られたソニアとの近親相姦である。
リリムは、少年のガルディアスと未亡人ソニアの願望を叶えてやったのである。
「母上……気持ちいい……あぁっ!」
「ガルディアス、私も……アアァッ!!」
ホムンクルスのガルディアスは、死霊祭祀書の夢の中で、過去のガルディアスの行動を追体験している。彼は母親のソニアに挿入して、初めての精通を迎えた。
ソニアの記憶の一部がリリムをシャロンに融合するときに、死霊祭祀書に入り込んでいる。
リリムの記憶を死霊祭祀書が拒絶していたにもかかわらず、入り込んできた情報。
リリムの膨大な記憶を拒絶しなければ、クラウバルトの自我やシャロンの自我はたやすく崩壊してしまう。
人は強大な魔物と遭遇しただけでも、恐怖に自我崩壊することもある。
リリムは、皇女ティアナからシャロンに憑依することには抵抗はないらしい。
シャロンのほうがティアナより成熟していて操りやすいということもあるだろう。
リリムが死霊祭祀書の中にガルディアスの母親のソニアの肉体で交わった記憶を残したのはなぜか。それはクラウバルトに教えるためだった。
クラウバルトは皇女エレアナと肉体関係を持ったが、リリムとは遭遇していない。ガルディアスは童貞の初もの精液をリリムに奪われている。
リリムと交わりエネルギーを捧げた者は、リリムの気まぐれで魔族の眷族としての力を授かることがある。
クラウバルトは機会を逃した者である。
ガルディアスは母親と交わり、リリムから魔族の眷族の力を授かった者なのだった。