牝奴隷たちと御主人ちゃん 80
シャロンは、ガルディアスの腕の中で恍惚となりながら、肛門の中からじわじわと広がる熱さを感じ、乳房を弄られながら膣内に挿入されっぱなしの状態で絶頂の余韻に酔いしれていた。
「お楽しみのところかよ」
エミリーの腕をひねり、喉元にナイフを近づけてシャロンの船室に入ってきた侵入者がいた。シャロンが侵入者の声に気づいて、胸元を腕で隠して睨みつけた。
「ガルディアス、捕まっちゃった」
エミリーが情けない声を上げている。喉元に突きつけられているのは、エミリーのナイフである。武器を奪われたらしい。
「こっちには手を出してねぇみてえだし。てめえ、豚どもよりも使えねぇな」
侵入者の男はそういうと床につばを吐いた。男は両目の眼球がない。カタツムリの触角ような触手がそこから生えていた。それ以外は小太りの中年男である。エミリーより素早い動きなどできなそうに見える。
「そっちも渡してもらおうか」
「いやだね、化け物」
ガルディアスはシャロンから離れてベットからおりると奇妙な侵入者にすっ裸で挑発する。
「ば、ば、ばけものだとおぉぉっ!!」
男はエミリーをガルディアスの方へ突き飛ばすと、脂肪のつまったような腹を破裂させた。飛び散る鮮血。白目を剥き出し怒りの表情のまま、斜めに首がごきゅと曲がり、口からも、うじゃうじゃと触手を吐き出し始める。
避けた腹から巨大な一つの目玉がガルディアスを見た。
「ガルディアス、このぐねぐねしてる蛇みたいの口から吐かれて絡まれて捕まったんだよ」
「何これ、気持ち悪い」
「ふむ、腹の中に隠れて入ってきたのか」
男は床につばを吐いて、変化できる場所か確認したのである。船内にそのままで侵入できず、オークになりかけていた男に潜り込んで船内に侵入してきたのである。男の吐いたつばの正体は、触手の表面を包む粘液である。
粘液が何も反応しなかったのを見て、隙をみて体から出るつもりだったが、正体を指摘されたと判断して攻撃しやすい触手の群れの姿を現したのである。
口からゲロを吐くような音をさせて、触手を吐き出しながら侵入者は船室の扉の前に立って逃げ道をふさいでいる。
部屋の中に蠢く粘液まみれの蛇の群れはベットの下の床にはびこり、のたうちまわっている。
三人のいるベット以外は、足の踏み場がない。
三人はベットの上で部屋が触手の粘液まみれになっていくのを見つめていた。床だけではなく、壁まで這い上がり、天井まで覆いつくすと、ベットの上にも、ぽたぽたと粘液が滴り落ち始めた。
エミリーの首にもヌルッとした粘液が落ちてきて、小さな悲鳴を上げる。
「ひっ、汚い!」
ベットの上にぞわぞわと這い上がってきたり、天井から降りかかってこないのは、なぜか。
「シャロン、部屋の床におりるなよ。絡みつかれるぞ」
ガルディアスはそう言いながら、巨大な目玉から目を離さない。
触手の群れが襲いかかるのが先か、ガルディアスの吐き出す舌先が目玉を貫くのが先か。
勝負は一瞬で終わった。
触手の群れは三人を襲わずに、目玉に先端を突き刺したのである。腹の裂けた傷に触手が潜り込んでいく。眼窩から飛び出た触角触手だけが、ぶるぶると震えながら、天井近くまてのびていた。
「三人で掃除するようだな、これは……」
ふらふらと船外へ逃げていく侵入者を、三人は追わなかった。
ホムンクルスのガルディアスとオークになりかけた者に寄生した妖蛇では、妖蛇の方が支配力が弱く触手に獲物と判断されたのだった。