牝奴隷たちと御主人ちゃん 70
全裸で眠りについた二人の意識は精霊の領域に入っても全裸のままだった。
気がつくと手枷と足枷をされて、地下牢のような部屋の床に二人は転がされていた。
オルガの小麦色の肌の引き締まって見える美尻。
サラの色白な肌の弛みのない美乳。
二人とも大人の艶やかさがある。
踊りで鍛えられたオルガの体つきと、剣技の修練を怠ることがないサラの体つきは美しいプロポーションを維持していた。
オルガの方がもともと細身で、胸の大きさもサラより少し小ぶりである。
サラの太腿や腕の方がわずかにむっちりしているように見えるのは、肌の色のちがいもあるが、オルガの腕や脚はサラより筋力はなく細くしなやかだからである。
二人とも背は低いほうではない。
皇女ティアナは小柄で顔立ちも可憐で、胸の大きさもあり、全体的に優しげでふんわりおっとりとした雰囲気だが、二人の雰囲気は豹のような美しい獣のような迫力と艶がある。
サラとオルガの目の前にいる少女は、皇女ティアナとはちがう雰囲気である。
ティアナより少し身長はあるようだ。
紫と黒を基調としたセミイブニングドレス。胸元や背中が露出されていて強調されているのと、丈の長いスカート。上品さと色気の両方がある。
ルビーのような紅眼、切れ長の目。笑顔はない。サラは旅の途中で出会ったホムンクルスの少女メアリーを思い出した。
精霊の化身の美少女は、黙ったままじっと二人を見つめている。
処女。
または、異性の精液を胎内に受け入れたことがない若い女性。
それが精霊に捧げられる生贄の条件。
精霊は捧げられた、生贄の二人を見ていた。
精霊と契約した生贄は退魔の力を得る。
「白豚、黒豚。選ばれし生贄ではない者がここに来ることは許されない」
いきなり白豚、黒豚と言われたサラとオルガの顔色が変わった。無礼で生意気な小娘だと二人の目に敵意が燃えている。
それを見た精霊の化身は二人に興味を持った。
今まで捧げられる生贄は酔わされていたり、眠らされていたりしてぼんやりしている者ばかりだったが、どうやらこの二人はちがうらしい。
神降ろしの儀式で退魔師となる少女たちは儀式の前に強い酒や麻薬などを与えられて、精霊に捧げられる。精霊が言葉をかけても、聞こえているかわからないほど、ぼんやりとしている。
サラとオルガは目を合わせると、鎖のついた手枷と足枷を破壊して立ち上がった。
「えっ?」
サラとオルガが、腰に手をあて、少女の顔を見下ろしている。
「おしおきしなくゃね」
「ですね」
「うわっ、何を……ひゃっ、くすぐるな、はははっ、やめ、はははっ、ひぃ、ははっ!」
少女を押し倒し、オルガが脇の下や脇腹をくすぐり、サラが押さえ込んでいる。
「ごめんなさいって言いなさい!」
「そうですよ」
「お前たち、誰に……はははっ、ひいっ、はひぃ、ははははははっ!!」
涙目になり、ハァハァと少女がぐったりとなるまで、二人がかりでくすぐりまくった。
「やりすぎたかしら」
「でも、あやまらないですね」
少女がゆっくりと立ち上がると、涙目で顔を赤くしてプルプルと震えてこぶしを握ってうつむいている。二人でいじめたみたいな気がしてきた。
「お前たち、絶対に許さないからね!」
少女が二人を指さして叫んだ。
手枷足枷を破壊できたのは、二人が生贄として術をかけられていないからだ。もしものことを考えてネコマタのキヨマサは、精霊の領域で二人を常人以上の力を出せたり素早く動けるようにしておいたのである。