牝奴隷たちと御主人ちゃん 61
宴の時、ギルか島の踊りを披露した。
それを酒に酔いながら、マリンは素敵な男の人だと、うっとりと見つめていた。
人魚たちは男に惚れると、遭難者のふりをして船に拾い上げられて、近づく。男の船室に夜這いしたり、人のいない貯蔵室に誘い出し、やがて魅惑の芳香で男が我を忘れて何度も人魚に射精する。一夜の交情を終えると夜が明ける前に海に帰る。
相手に妻がいようが、婚約者や恋人がいようが関係なく人魚たちは男を誘惑し、一夜限りの鮮烈な快楽に溺れさせて去っていく。
人魚と交わった者は、人の女性と交わり射精しながら、あの時の射精感には遠くおよばないと強く思い出すことになる。人魚に再び会いたいと航海の旅に出る男も多いのである。
マリンはギルに惚れてしまったが、なかなか声をかけるタイミングもつかめずにいた。オルガがそばにいることが多かったからである。
(今夜こそ、ギル様に抱かれたい!)
海賊ギルの部屋に見廻りのふりをしてマリンは夜這いに行ったが、ギルがダンジョンで迷子になっていて部屋におらず、しょげて船にギルがいるかもと思い、行ってみたが見つからずに、その帰りにオークと遭遇してしまったのだった。
マリンはギルがしゃがんでそばにいるとわかると、泣きながら抱きついた。
下半身はまだイルカの尾ひれのままだ。
他の人魚たちは人の姿だが、全員全裸でギルは目のやり場に困る。
「あぁ……ギル様……会いたかった!
……マリンの体を人に戻して下さい。
…………お願いします!」
「ギル様、お願いします!!」
抱きついたマリン、そして周囲の人魚たちがギルに懇願する。
人魚たちの大部屋から、ギルはマリンをお姫様だっこで運びながら話を聞いた。
「……そこを左に曲がって下さい。
次は十字路をまっすぐ行って下さいね」
「話はわかったが、それで戻るのか?」
「ギル様ならできますよ、ふふふっ」
お姫様だっこをしてもらい、ギルに頬をすりよせ笑顔になったマリンがギルの部屋まで道案内をしている。
(できるって、腰から下は魚みたいになってるじゃないか……どうしろと?)
マリンの話によると怒りの頂点で変身を強く念じてしまった結果、変身したまま人の姿に戻れなくなってしまったらしい。
それを戻すにはギルと交わるしか方法がないとマリンに囁かれたのだった。
「猫に頼んだほうがいいんじゃないか?」
頭の中に、サラ、そしてオルガの顔が浮かんでしかたがない。
マリンの押しつけている乳房の感触が服の布地ごしでも、柔らかく生々しい。
「もうすぐお部屋ですよ」
ギルの意見は聞いていないふりをして、マリンが通路の先を指さすと、頬を染めながら、尾ひれを揺らして微笑している。
オルガの部屋に行こうとして、ギルはダンジョンで迷ってしまった。
オルガはギルの部屋に来ても、しっかりと迷わずに自分の部屋に帰っていた。
オルガにできて、自分にできないはずがない。
ギルは自信たっぷりで部屋を出た。
オルガとやりたかった。しかし、ギルはオルガの部屋には行けずに、人魚たちの大部屋に行ってしまった。
たしかにやりたかったが、下半身が魚みたいになった人魚のマリンを拾って自分の部屋に連れて帰ることになるとは、ギルはまったく思ってもいなかった。
ギルは部屋入ると、ベットの上にそっとマリンを仰向けに寝かせてやった。
羞恥に頬を染めながら、はにかむ表情は色気がある。ツンと上向きの淡いピンクの乳首と乳房の手に余るほどの豊かなふくらみからすれば小さめの乳輪がかわいらしい。
そのわりに細めて引き締まったウエストから続く腰つきは……。
(完全に魚だもんな。おいらはどこに突っ込めばいいんだ?)
ギルが途方に暮れてため息をつくと、マリンが手まねきする。ベットにギルが腰を下ろしてマリンを見つめる。
マリンは上半身を起こして、ギルの首に細い腕をまわすと、目を閉じて顔を近づけてくる。マリンの唇がやわらかい。
ギルはマリンが大胆に舌を入れてきたのを受け入れ、マリンの背中に腕をまわして抱きしめた。