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牝奴隷たちと御主人ちゃん
官能リレー小説 - その他

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牝奴隷たちと御主人ちゃん 43

礼儀知らずの海賊の若様ギルには、着席の順番などサラは気にしない。
気にしてもギルには意味がわからない。

皇女ティアナが一番身分が高い。
次は御主人様で、全員の中で主導権を握る人物。
ポチは子供で世話が必要なこと。
最後に自分が着席して忠誠を誓う者だとケット・シーに教えたのである。

「先ほどの風の魔法、お見事でしたね」

ケット・シーは着席順で誰に話しかけるべきかわかったようだ。
サラは「このにゃんこ、なかなかやるわね」と感心した。

「心づかい、感謝する。
人魚たちが僕らに危険を知らせてくれなければ逃げきれなかった」

御主人様の態度は相手にへりくだるわけではなかった。対等。
その上で、感謝の言葉を伝える。
サラはそれを聞いていて「御主人様、やっぱり素敵」と思う。

「邪神ガーバリムに沈没させられた船は多く見てきましたが、海の中を航海する帆船は初めて拝見しました」

ケット・シーの黒猫は、美貌の少年の魔法の技術に興味があるようである。

「海底にダンジョンがあるとは、僕も思いませんでした。ここは貴方が作ったものですか?」
「いいえ、私は御主人様よりここを受け継いだ者にすぎません」
「そうでしたか……」

そのあと少年は微笑を消してこう言った。

「しかし、水路に邪神ガーバリムがつまってしまった。このダンジョンはいずれ破壊されるかもしれません」
「今まで、邪神ガーバリムがこのダンジョンの内部に侵入しようとしたことはありませんでした。
……なぜだと思いますか?」
「邪神ガーバリムにとって、海上を通りかかる船よりも、このダンジョンは興味がなかった。
または、邪神ガーバリムにとって苦手な場所なのかもしれません」
「では、なぜ邪神ガーバリムは、貴方たちの船を追ってこのダンジョンまで侵入したのか……」

ケット・シーの黒猫が皇女ティアナを見てから、続けて言った。

「それは、邪神ガーバリムにとってどうしても手に入れたい獲物が貴方たちの船の中にあったからです」
「同感です。しかし、僕は邪神ガーバリムに絶対に喰わせる気はありません」

すると、ケット・シーは椅子から、ひょいと飛び降りると少年のそばに行った。

「ならば、私は貴方に協力しましょう。私の名はネコマタのキヨマサ。ここは祓いの巫女の修業場だったダンジョンです」

そこに、ギルが、体力が回復したオルガと一緒に会議室にやって来た。

「いかがですか?」
「おかげさまでもう元気になりました」

オルガが、ネコマタのキヨマサに笑顔で答えた。ギルが遠慮もなく円卓の空いている席に着席する。

「あーっ、ギルっち、そこはにゃんこさんの席だよ!」
「ふふっ、にゃんこさんですか。お嬢さんのお名前は?」
「ポチだよ」
「私の御主人様も、私をにゃんこさんと呼んでくれていたのですよ、お嬢さん」

ネコマタのキヨマサはポチと握手をした。

(いいなぁ、私もにゃんこさんと握手したいなぁ)

サラがそう思っていると、ネコマタのキヨマサがサラのそばにやって来た。

「よい剣をお持ちのようだ。よろしく」
「はい!」

さしだされた「にゃんこさん」の手と肉球がかわいくて、サラは力を入れすぎないようにしながら、そっと握った。

「すまない、あんたの席だったのか……」
「かまいませんよ。それより船が倒れてしまって困りましたね。海水は邪神ガーバリムが水路をふさいでいるので引き込めないので……」
「きっと、魔法使いがなんとかしてくれるだろうさ。オルガが世話になったな、猫」
「貴方とは気楽に話せそうですね」

そして最後に、皇女ティアナの前にネコマタのキヨマサは行く。

「聖なる祓いの巫女様、邪神ガーバリムに怯えることはありません。必ず女神エアルは貴女と我々を導いてくれるでしょう」
「女神エアルの導きと御加護がいかなるときも我々と共にあらんことを」

ネコマタのキヨマサの頭上で皇女ティアナが祝福の祈りを捧げた。

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