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牝奴隷たちと御主人ちゃん
官能リレー小説 - その他

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牝奴隷たちと御主人ちゃん 42

「神話では、人魚は女神につかえていた者たちで女神が天に帰ったあとも、海に残ったと伝えられています。
邪神ガーバリムに人魚。
本当にいるなんて思いませんでした……」

少年は疲労しきって気絶しているオルガを見て、ギルとサラに声をかけた。

「船から出て、あの猫の神官と交渉してみよう。また吸い込まれる前に早く船から離れたほうが安全だろうね」
「おい、おいらの船はどうなる?」
「ギルは船と一緒にあいつに吸い込まれてしまえばいいわ。女の裸に見とれて逃げおくれたすけべって墓石に刻んでおいてあげる」

サラに言われて、ギルはしかたなくオルガを抱えて船から出ることにした。
死霊祭祀書は皇女ティアナに抱えられている。
全員は少年の周囲に集まった。

少年は指輪を撫でたあと、呪文を唱える。
横倒しになった船の甲板は垂直の壁とかわらない。普通に出れば、石室の床に落下して全身を強打するだろう。
船から飛び降りた全員が羽毛のように、ふわりと着地した。
少年は、魔法の帆布が船を包む風を利用して着地したのである。

ケット・シーの黒猫の神官が近づいてきた。

「深淵の地へ、ようこそ」

黒猫の神官は皇女ティアナに片膝をついて礼をすると、全裸の女たちも頭を下げて礼をする。

「邪神ガーバリムに追われてここに逃げ込みました……」
「わかっております。どうぞこちらへ」

ケット・シー。
ケット=猫。シー=妖精。
つまり猫の姿をした妖精族。
魔物でも人間でもない種族である。

妖精族は人間よりも古い歴史を持った種族が多い。
ゴブリンやコボルトも魔物でも人間でもない。
高度な魔法技術を受け継いでいる種族から、獣に近い種族までさまざまである。

ここは沈んだ島を利用したダンジョン。
どうやら、黒猫のケット・シーがこのダンジョンの支配者のようだ。

全員が案内されたのは会議室らしい大部屋で、中央に円卓が置かれてある。

「気絶なさっているそちらの女性は、治療室に案内します。どうぞこちらへ」

ギルは気絶しているオルガを抱えて、ケット・シーの黒猫が案内した部屋に行く。
その部屋には床と天井に向かい合わせになるように魔法陣が刻まれてある。

床に刻まれた魔法陣の中にオルガを寝かせるように言われて、ギルはオルガをそっと仰向けに下ろした。
ギルがオルガから離れると、ケット・シーのそばに立つ。ケット・シーが短い呪文を唱える。
すると、天井の魔法陣から淡いオレンジ色の光が降りそそぐ。

「しばらくしたら、体力が回復するはずです。ここでお待ちになりますか?」
「ああ、そうさせてもらうよ」
「では、お連れの方が目をさまされましたら、あの者に声をかけて下さい。
あの者が、また会議室に案内しますから」

ケット・シーは扉のそばに立つ案内役の女性と二人を残して、会議室に戻ってきた。

会議室に戻ったケット・シーが先にちょこんと着席して全員の顔を見渡した。

「お好きな席におすわり下さい。よく、ご無事で……お疲れになったでしょう?」
「では、お言葉に甘えて失礼します」

まず、サラが答えると、皇女ティアナ、御主人様、ポチの順番に椅子を引いて着席させて最後にもう一度ケット・シーに一礼してから自分が着席した。

「礼儀正しいお嬢さんですね。ここでは気づかいは無用ですよ」

ケット・シーを見て「にゃんこ、かわいい」とサラは思っているから、にっこりと笑う。

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