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牝奴隷たちと御主人ちゃん
官能リレー小説 - その他

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牝奴隷たちと御主人ちゃん 20

皇女ティアナの協力者のふりをして「御主人ちゃん」は何をたくらんでいるのか。
フィルに皇女ティアナの食事を届けさせて、服や装備を没収したまま監禁している。
そうしている間に「御主人ちゃん」は死霊祭祀書と一緒になって皇子エルヴィスが降臨の儀式をしても、魔物にならない方法を探していた。

「魔物になったら、女なら誰でも触手で襲いかかって孕ませて、仲間を増やす。問題は生まれてきた魔物は契約者のいないノラってことなんだ」

ノラ猫やノラ犬ならともかく、ノラ魔物が増えたら、人間は魔物の餌か種づけされるだけの存在となり、大混乱となる。
ダンジョンに避難して、襲来したノラ魔物から召喚した魔物を駆使して戦い、ひたすら身を守って暮らすとしても、攻め込んでくる魔物が圧倒的な数なら、ひとたまりもない。

(魔物が増殖して人間が滅亡したら、魔物は手軽な餌を失うわけだ。そうなれば、やがて別の魔物を餌にしようとするだろう。
まさに弱肉強肉の世界の到来だな)

死霊祭祀書が人類滅亡後の世界について話し始めたので「御主人ちゃん」は、微笑を浮かべてこう言った。

「人間が全滅しても僕はかまわないんだけどね」

どうやら「御主人ちゃん」は、人類滅亡の危機を回避するために皇子の魔物化を止める手段を探しているわけではないようであった。

妹に欲望を抱く兄、皇子エルヴィスは、妹に手を出すと魔物を繁殖しまくる諸悪の根源になると警告されてしまい、勅命を放棄して自害することを考えた。

「降臨の儀式を見つけた人がいるってことは、エルヴィスが自害しても、いずれは別の誰かが同じ危機に直面するだけの話だよ。
あのさ、死んで誰が得なの?」

「御主人ちゃん」は説得したつもりではなかったらしいが、皇子エルヴィスはそう言われて自害する考えをあっさり捨てた。
未練たっぷりなのだろう。


「降臨の儀式をしなくても、兄妹でも、どうしても好きならしちゃえばいいんじゃない?」

フィルがそう言ってから、首をかしげる。

(愛し合っていても、性交しない恋愛もある)

死霊祭祀書がフィルにそう答える。
するとフィルが言った。

「愛し合ってないのにするよりマシ」

神聖ベルラント王国の国王は、他国の領土内のダンジョンに自国の存亡に関わる最重要機密があるとわかり、攻め込むわけにもいかず、傭兵を使いダンジョンの調査を行ったが失敗した。
お祓いをさせたら世界一という権威があるから、神聖ベルラント王国は各地の信者から信用されている。他国の王侯貴族も信者である。
お祓いできる姫を生ませる子作りをすると、すごい魔物が出現するので、お祓い世界一の看板を下ろすことにしました、長い間のご愛顧ありがとうごさいました、というわけにはいかない。
王は考えて、次の王か女王になる若い二人に任せることにしたのだった。
王自身は残りの人生を気楽に生きることかできれば不満はない。自分が死んだあとはどうなろうと知ったことではない。
そんな無責任な考えであった。
王になりたくて生まれたわけではない。
しかし、生まれた時から王になることを決められて育てられ、戴冠すると波風立てずに、何も先代から引き継がれたものを変えずに次の統治者に王の地位を譲ることしか考えてこなかった。
王となったからには何か歴史に名を残すとはりきってしまい、汚名や悪名を残す王は多い。
そう考えれば、可もなく不可もない統治を維持したという意味では、神聖ベルラント王国の民からすれば優秀な統治者であったともいえる。

さて、ダンジョンでも最上級な客室で暮らす皇女ティアナと最低な牢屋で暮らす皇子エルヴィスの二人の気持ちにある変化が起きていた。

皇子エルヴィスは、妹ティアナに以前よりも、熱く恋こがれるようになった。
死霊祭祀書が見せた儀式の光景から、エルヴィスはティアナと兄妹で生まれたことを過去からの宿命だと感じた。
皇女ティアナを皇女エレアナの生まれかわりだと思い込んだ。そして、自分は騎士ヤザンの生まれかわりだと信じた。
しかし、皇女ティアナは実兄の熱烈な恋心と欲望など知らずに、謎の美貌の少年「御主人ちゃん」に惚れてしまったのである。

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