快感メーター 20
彼女の恐怖心を和らげるのにちょっと時間をかけた。
「……これで犯されたら、私、死んでたと思う」
「普通だからね?みなさん普通にこれを入れて腰を振ってるからね?」
理佐も、洋子も、普通に初めてがこれだったし。
「……もしかして」
「鋭すぎる男は嫌い」
「でも、鈍い男も嫌いって言うよね?」
「そうね」
「つまり、普通が一番、と」
「わ、私の感覚では、『これ』は普通じゃありません」
握った、瑞穂が握った。
アルプスで某お嬢様が歩いたかのごとく、ある種の感動が、俺の胸を満たす。
「……ッ」
あ、ポイッてされた。
やめて、その表情。マジで凹むから。
……よし、気を取り直して。
「想像だけど、『少女時代』の主役をすませたあと、ぐらい?」
「……死んだと思ったわ」
主語と目的語を省いた会話。
そりゃ、成長してない身体に大人がツッコんだら裂けるでしょ。
つまり、瑞穂は色々と正常な判断ができないわけだ。
「……なぜかしら、あなたがものすごい見当はずれの推論を進めている気がするわ」
じゃあ、ここは建設的に話を進めよう。
俺は用意していた避妊具を取り出した。
「これは、一般工業製品だ。つまり、それなりに需要が見込める一般的なサイズをもとに作られたわけで」
説明しながら、俺はパッケージを破ってゴム製のそれを亀頭にあて、するすると根元に向かってかぶせていった。
「俺のモノは普通です」
「う、く…え、でも…」
ふふふ、瑞穂が反論出来ないでいる。
完璧な理論だ。
でもまあ実際、普通の学生が避妊具を手に入れるって気恥ずかしい部分があるからね、最初はともかく、最近はいつも麗が用意してるものを使ってるんだけど。
そういや、自分で買ったものはカリにひっかかってなかなか入らなかったなあ…うん、麗に感謝。
「え、でも、このサイズ…」
意識がよそにいってるせいか、瑞穂は俺のものに指をあてたり、握ったりして……多分、気づいてない。
「赤ちゃんよりちっちゃいから」
「私を犯したあの男のモノだって、赤ちゃんより……」
瑞穂を抱きしめてあげた。
ぽんぽんと、背中を軽く叩いてやる。
心臓のリズムに合わせると、安心できるらしいね。
ゆっくり、ゆっくり彼女を落ち着かせ……はい、じわじわと感度アップ。
もちろん、さっき抱きしめた時のことやキスしたことのことを思い出させるような言葉を囁きながら。
頃合を見て、ついばむようにキスを繰り返す。
瑞穂の瞳が不安に揺れる。
「さっきも言っただろ…俺の上に瑞穂が乗って、自分から受け入れてもらうのが夢だって」
「……バ」
言わせない。
舌を入れる。
身体を愛撫しながら、感度をアップしていく。
さっきの経験のせいか、それほど手間をかけずに彼女の身体が燃え上がっていくのがわかった。
さっきはあえて避けていた、お尻や胸への愛撫を行う。
「ンン、ンフゥゥン」
反応は悪くない。
性行為をダイレクトに連想させる行為は良くないと思っていたが、考えすぎだったのかもしれない。
んー、ちょっとひねろう。
少しずつ、彼女の中の固定観念をぶっ壊していったほうがよさそうだから。
瑞穂を抱きしめて、身体への愛撫は控えめに。
ただし、キスはディープなやつをねっとりと。
もちろん、口唇感覚の感度はアップ、アップで。
「ン、ンンッ、ンンンゥ〜ッ!」
あ、やりすぎたかな。
俺の舌に蹂躙されるだけになってる。
でも、中途半端にやって後悔するぐらいなら、やりすぎて後悔する方が良いって誰かが言ってたよね。
「ンンーッ、ンンンーッ、ンゥ〜〜〜ッ!!」
し、舌、噛まれちゃった…。
「う、嘘…私、キスされてイっちゃった…」
あ、瑞穂もダメージ受けてるから引き分けで。
だが、戦いは始まったばかり。
俺は再び瑞穂を抱き寄せてキスに挑む。
もう、舌を噛めないぐらいに感度アップさせてネロネロネロねっとりと舐め回して……気が付くと、くたっと脱力して失神した瑞穂さんがいました。
うん、後悔はしていない。
シャワーを浴びて夕御飯。
なぜだか顔を赤くして無言で食事を続ける瑞穂を、裕子とみどりさんが口元に笑みを浮かべて見守っています。
その、俺に対する無限の信頼感は何なんだろうね。
あ、マネージャーさんは仕事があるので帰りました。
「瑞穂さん、どうする?今日はもう、休んでも…」
ものすっごい目で睨まれました。
俺の手首を持ち、部屋へと引っ張っていかれます。
見れば、裕子とみどりさんがニヤニヤ笑いながら俺に向かって手を振っています。
なんとなく、手を振り返しました。
部屋のドアを閉め、鍵までかけて。
真っ赤な顔で瑞穂さん。
「キス…してよ」
……超絶に可愛い生き物が爆誕しました。
どうやら、ものすっごく俺とのキスがお気に入りになってしまった模様。
ここは攻め時ですね。
いや、責め時ですね。
はいはい、感度アップで。
早朝4時頃まで、失神と目覚めを繰り返させましたよ。
ええ、キスだけで。