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快感メーター
官能リレー小説 - その他

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快感メーター 14

 まあ、身に過ぎた欲望は己を滅ぼすというし……女をモノにするんじゃなくて、通りすがりの誰かに対してちょいちょいいたずらを仕掛けるぐらいならいいのか。
 ……それで結構でございますと、土下座する幻視が。
 まあ、コイツがなきゃ理佐はもちろん、洋子、裕子、麗をモノにすることなんかできなかったからな。
 それなりの恩もあるよな。(日本人的自己逃避)
 よし、俺には手の届かない超お高めの女でも物色しに行きますか。
 芸能人とか、深窓のお嬢様とか……うん、出会えるイメージが全く浮かばねえ。
「……あ」
 なるほど、だからこそのレベルアップなのね。
 別名、ご都合主義。
 これからの方針とか計画を練るために、駅のベンチに座ってイタズラの真っ最中。
 うん、家にいるとゆっくりできないからね。
 俺の目の前を通り過ぎていくカップル。
 うんうん、男のほうが少々がっつき気味で、女はちょっと引いている。
 手助けしてあげましょう。
 ポチッとな。
 その瞬間、微かに震える女。
 心配する男の手が、身体に触れるたびに、俺は細かく快感メーターを操作してやる。
 男の言葉に、仕草に、接触に、興奮を覚えている自分に気づいたらミッションコンプリート。
 もともと付き合ってるカップルだからね。
 良い夢見ろよ……と、女の方の感度操作に時間制限をつけてやる。
 うん、新しい機能の一つ。
 時限爆弾じゃねえや、そういう使い方ができるようになった。
 ただし、この機能を用いるためには、俺が直接目視する必要があるっぽい。名前とかは知らなくてもいいんだけどね。
 これが目視しなくてもいいならなあ……。
 芸能人とか、色々と罠に嵌められそうなんだけど。
 かといってアイドルの握手会とか、金と時間をかけなきゃいけないようなのはゴメンだ。
 面倒くさい、というか……俺がどうしてもモノにしたいぐらいの意欲がわかないとやる気がしない。
 俺って草食系だよね。
 ……理佐を筆頭に、4人の女がぶんぶん首を振ってるような気がする。
「ねえあんた。暇してるの?」
「……俺?」
 思わず、周囲を確認しちゃったよ。
 人生初の逆ナン?……なんて舞い上がったら、道を聞かれておしまいでしたってオチだよね。
 わかってる、わかってる。
「暇ならちょっとアタシにつきあってくんない?」
 美人局……なんて言葉が頭をよぎったけど、男って馬鹿だから。
 俺はホイホイと、ギャルっぽい女の後についていくのでした。

 予想の斜め上というか、斜め下?
 このギャルギャルさん、私立探偵の助手みたいなことをしているらしい。
 ギャルっぽい格好は変装らしいけど、これっきりの関係だろうしギャルギャルさんで通す。
 浮気調査で、対象相手の監視にちょっと人手が足りないとか……おいおい、しろーとさんに頼むかね、そういうこと。
 そう言ったらギャルギャルさん、なるほど変装なのか理知的な瞳をきらめかせてのたまった。
「これでも私、人を見る目はあるつもり」
 あはははは、もう、全俺が大爆笑。
 声と顔には出さなかったけど……いや、ちょっと顔には出てたみたい。
 ギャルギャルさんに突っ込まれたから。
 やるよ、やりますよ、面白そうだから。


 俺に声をかけてくれたギャルギャルさんに大感謝。
 ついでにご都合主義に大苦笑。
 芸能人きましたわー。
 有名どころではないけれど、ちょいちょいテレビで見かけるアイドル崩れの……まあ、あと数年も経たずに『ああ、そんなのいたね』で済まされそうなポジションの芸能人。
 化粧次第かもしれないけど、俺的には1回ヤればいいや、ぐらいの。
 でもまあ、彼女には彼女の人脈があるだろうからね。
 あ、ギャルギャルさんのお手伝いはちゃんとしますよ。お仕事大事、超大事。
 ちなみにギャルギャルさんの監視対象は、男の方ね。
 そういうわけで、『そんなに重要じゃないから無理はしなくていいからね』とのギャルギャルさんの言葉に見送られて、俺は芸能人を追いかけた。
 はいはい、ご都合主義万歳。

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