出会い喫茶店 4
私はウェイトレスが教えてくれたように席を立ち、男の方へと歩みを進めた。
心臓が高鳴った。
自分がこんな所で、軟派紛いのことをしていること自体、信じられなかった。
それでも身体は確かに期待していた。
こんな機会でも無かったら、決して交わることなど無いと思える普通のサラリーマンの男なのだ。
男は照れたように「よろしく」と顔を赤らめた。
近くで見ても、眉は整えられてはいなかったし、肌もツルツルではなかった。
私は早くこの男がどんなパンツを穿いているのか、確かめたかった。
視線は自然と男の股間へと移った。
スーツのズボンに出来たこんもりとした膨らみは、やはり肉食系のようにガツガツはしていなかった。
それでも早くベルトを解き、チャックを下ろしたかった。
パンツを確認する前に、私の興味は既にその中身に移っていた。
男はウェイトレスに向かい、片手を高く掲げた。
「ご注文はお決まりですか?」
「お試し席、2人分・・・」
「かしこまりました。では、こちらへどうぞ」
私達はウェイトレスに案内され、コの字型に区切られマットを敷いただけのスペースに移動した。
仕切りが低いせいで、隣の筋肉質な青年がフェラされている姿が目に入った。
いかにも肉食系な青年は私に気づくと、片頬だけを上げ、"ニヤリ"と不敵な笑みを送ってきた。
「んっ!んっ」
男はいきなりキスをしてきた。
彼の手が器用に動きブラを外され、服の中に手が入ってくる。
「お、おっぱい、おっきいね何カップあるの?」
彼は私の胸を揉みながら、胸のサイズを聞いてくる。
「Fカップよ」
大きくて形の良いおっぱい、私の自慢だ。
それをこんな冴えない男に、教えるなんて普通なら、絶対ありえないはずなのに、私は問われるがまま答えてしまった。
「じゃあ…服脱いで、見せて欲しいな」
「焦らないで、たっぷり見せてあげるわ」
男の手が離れると私は自ら服を脱ぎ始めた。
公衆の面前で裸を晒す恥ずかしさが、有るはずなのに、何故かそれはどうでもいい事という、認識が私を支配していた。
釦を外す指も震えはしなかった。
ブラからはみ出す自慢の乳房を誇らし気に晒しながら、タイトなスカートを床に落す。
「ごくっ」
目の前の男は喉を鳴らしながら、もどかしそうにワイシャツを脱いでいた。
くたびれたランニングシャツ。
襟ぐりがだらしなく伸びていた。
私は立ったままの姿勢で、先程の青年に目をやる。
女の口から抜け出た青年の肉棒は、大したモノではなかった。
私は落胆しながらも背に腕を回し、フックに手を伸ばす。
男はカチャカチャと金属音をたて、ベルトを緩めていた。
誹らぬ顔で冷静を装いながらも、私は男がチャックを下ろすのを今は遅しと待った。
釦が外され・・
ホックが解かれる・・
ジィーと言う聞き慣れたチャックの音・・・
前の合わせが左右に開かれ、現れるストライプの生地・・・
(ふ、やっぱりトランクス・・・『え・・?』)
私は眼を見開き、一瞬身を硬くした。
外したブラが手元から落ち、スローモーションのように、ふわりと床に落ちていく。
露出した乳房を手で覆い隠すこともできず、ただストライプ生地を持ち上げる、男の股間に釘付けになった。