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神待ちの人がやってきた
官能リレー小説 - その他

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神待ちの人がやってきた 5

「するときは、絶対にゴムありで。
あと、したくなったらちゃんと言ってね」
部屋に帰って、キスをしてから彼女は言った。
図書館を出て、駅のそばを通った。
「泊まっていくんだろ?」
「どうしようかな、着替えもないし」
「もう少し一緒にいたいんだ」
「じゃあ、泊まらせてもらうけど、家賃とか取ったり食費出せとか言わない?」
「もちろん。なんか必要なものある?」
彼女が手招きした。顔を近づけると囁く。
「生理用品と下着だけ買いたいな」
マツモトキヨシで生理用品を買った。
店の前で彼女が待っていた。
「ありがとう」
「まさか、下着も買いに行かせる気か?」
「お店の人がどんな顔するか見てみたくない?」
彼女は笑った。
瑞々しい爽やかな笑顔。
川のせせらぎやそよ風のような小さな笑い声。
イタズラをする子供のようにはしゃいでいる。
「かんべんしてくれ」
「じゃあ、ついてきて」
ランジェリーショップ。
客は女性だけだ。
彼女が下着を選んでいる。
そのあいだ、店の前で待っている。
店の中から彼女が何回か見て手をふった。
タバコを喫いたくなった。
最近、タバコは指定された場所や煙草屋の前以外は喫えなくなった。
「おまたせ」
紙袋に入った下着を抱えている。
「見たい?」
中身を出される前に止めた。
「着たのは見てみたいけど、ここで出すなよ」
きっと顔が赤くなっているだろう。
「じゃあ、帰ろうよ」
手をつながれた。
タバコを喫いたいから、喫煙スペースのあるところに寄り道したいと言いそびれた。
名前も知らない彼女だが、ふりまわされる感じはなぜか嫌ではなかった。
冷蔵庫にあるものは手軽に調理できるもの。
卵やベーコン、鮭の切り身。
野菜はもやしぐらいしかない。
食パンにぬるマーガリン。
牛乳、ペットボトルのコカ・コーラ。
炊飯器は使われていない。
レンジで暖めるレトルトのご飯がある。
彼女はありあわせのものを卵とじにした。
厚焼き卵に鮭、ベーコンが入っている。
もやしは塩こしょうで味付けして炒めた。
「お味噌があれば、お味噌汁つくれたのに」

二人で食べ終わると彼女は手際よくかたづけをした。その間、タバコをくわえながら、うっとりとしながらその様子をながめていた。
「はい、終わり」
換気扇にタバコの煙が吸い込まれていく。
「シャワー浴びてきていい?」
彼女に言われてタバコの火を消した。
「おつかれさま、どうぞ。あ、そうだ……」
ジャージは洗濯機の中。
彼女のパジャマになりそうな服はあるかな。
「下着で寝るから、かして」
上はTシャツに下はトランクスというおそろいの服装で寝ることになった。




「ブラジャーとパンティ、かしてあげる」
「わー、ありがとう……っていそいそと着替えたりしたら、どうする?」
「ん、女装するならお化粧まで教えてあげるよぉ」
「ことわる」
「お化粧したらきれいかもよ」
テレビを見ながら、たわいのない雑談をする。 
ひとりで部屋にいて、なんとなく音がないとさみしいからテレビをつけているのとはちがう。
かなり楽しい。
気になるのは、彼女が携帯電話をこの部屋で使っているのを一度も見てないことだ。
恥ずかしい話だが、援助交際をしている女性と会ってやったことがある。
まだ学生だった頃や社会人になりたての頃は無料掲示板のサイトがあった。
あと、テレクラにも行ってみたことがある。
会ってすぐラブホテルに行って、二時間か三時間ぐらいで「じゃあな」と別れた。
夜に待ち合わせして、ラブホテルで泊まって朝に別れることもあった。
援助交際をする女性たちは携帯電話のメールをチェックするのを怠らない。
できれば、さっさと済ませて次の金をくれる奴と会うために携帯電話を手ばなさない。

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