続・全てが叶うスマフォ 8
…設定が通る。
ついでに、こんな設定も通しておいた。
『制服は裸ではなく、新しいデザインの制服が発表され、全校生徒に無償支給される』
―1時間目は終わった。
俺はトイレに行った。
…トイレを出て教室に戻るときに、俺はある生徒とすれ違った。
一宮梓。
隣のクラスの生徒であり、俺のクラスの委員長を務める一宮渚の双子の妹。
明るく社交的で誰とも仲のいい姉に対し、この妹は口数が少なく、一匹狼の印象を持つ。
梓は自分のであろうスマホを片手に、なにやら首を傾げていた。
まさか…な。
教室に戻り、俺は何気なくスマホを操作した。
あれ??
確かに、何かの選択肢に「はい」と答えた。
そして、いつものアプリは、消えてしまっていた!
俺は一瞬焦った、が、すぐに鞄からバックアップのスマホを取り出した。
うーん、
俺は教室を出て考えることにした。
さっきの「もう一台の持ち主は」の命令が作用せずに返ってきたのか?
でも、それなら最初からエラーになるだろう。
多分、もう一台の持ち主、梓なのか?が、本当にプログラムを消してしまい、俺と同じようにバックアップのスマホを取り出し、俺と同じような命令を打ったのだろう。
―無理を承知で、梓に一番近しい関係者に尋ねる。
「なあ、委員長」
「どうしたの?一郎くん」
「委員長の妹…梓だっけ、最近携帯変えた?」
「あー…うん、ついこの間ね。たぶん同じの持ってると思うよ」
渚はそう言って俺に自分のスマホを見せてくれた。
「梓に何か変わったこととか…」
「いや、それは無いと思うけど…」
気にしつつも教室へ…真純先生の授業だ!今日はどんな内容なのか…
「え〜授業を始まる前に「球技大会」の告知です。今年は種目を「男女別2人制ビーチバレー」、「男女別4人制ソフトバレー」、「男女混合ビーチボールバレー」、「男女別6人制バレー」とバレーボールにこだわった「校内バレーボール祭り」にする予定です。午後のホームルームでチーム決めとエントリー用紙記入・ユニフォームについて相談します。参加種目を考えるように…」
…ああ、もうそんな時期なのかと考える。
うちのクラスは男女ともに精鋭ぞろいだからすべて優勝だって夢じゃないだろう…
特に女子は未沙や千早などバレー部の中心選手がいて、他にも運動部の主力が揃っているのだから。
…しかし。
なぜにバレーボール縛り?
去年は他の競技だってあったし、俺が設定したことなど…