続・全てが叶うスマフォ 7
残されて立ち尽くす俺…
えっと…つまり、あの娘…志緒理の父親は、俺の親父…
親父はほぼ同時期に二人の女性を孕ませていたのか…?
あの頃の由佳里さんって、年齢的に高校生くらいなんじゃないのか…?
…なんとなく、親父の離婚の原因が読めたような気がした。
ちなみに、親父は去年再婚している。
幸恵さんという22歳の女性と。
幸恵さんもまた…というか、親父との間の子供を妊娠中である。
自由人過ぎるだろ、親父…
―教室に戻る。
一時間目・生物の授業中だった。
「すいません」
一言謝っておく。
「いいよ〜。一郎くんは優秀だもん。授業を聞いてくれるだけで嬉しいから」
生物担当の柊飛鳥さんが言う。
スマホで、俺は校内一の天才・授業をサボっても怒られないと設定している。
それでもこうして授業にいるのは幼馴染・由希のお願いがあるから。
クラスの皆と一緒にいるのは楽しいから、それもいいと思っている。
「一郎くん、ノート写す?」
隣の席に座る湯之谷美咲に聞かれる。
「ああ、悪いね」
美咲のノートを借りる。
授業は淡々と進む。
今教壇に立っている飛鳥さん。
新人教師で初々しい印象がするのと同時に、裏ではヤバイ評判も立っている。
授業以外の時間は生物室に引きこもっていて、専ら怪しい実験をしているとの噂。
…そういや、強力な媚薬を女子に飲ませたり、俺も精力剤飲まされたりして大変な目にあったなぁ…
突然、教室の扉があき、誰かが柊飛鳥先生に紙片を渡した。
飛鳥先生は、その紙片を開いて、言った
「明日から、全員、上半身裸で来てください、それが制服です、という連絡が来ました」
教室内はどよめいた。
ええっ…
俺は、そんなことは望んでいない…
急ぎ、スマホに「制服は従来のままとする」と入れた。
しかし『命令重複』というエラーが返ってきた。
ますます気になるもう一台のスマホ…そこで設定を試みる。
「この授業のあともう一台のスマホの持ち主と遭遇する。相手には俺がスマホを設定している事はバレない!」
設定が通った。
念の為「もう一台の持ち主は誤ってプログラムを消してしまう。」と設定してみた。