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続・全てが叶うスマフォ
官能リレー小説 - その他

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続・全てが叶うスマフォ 30

「先生」

 ここからはちょっと計算外だった。隣のクラスの田島陽菜だ…そういえば、非公式だが女性権利の研究会を校内で立ち上げている人だった。
「女性も、男性と同じように、胸を出した水着を着る権利が認められるべきだ、という考え方が欧米を中心にあります。水着は自由、ということは胸を出してもいいのですか?」



「それは、個人の判断に委ねます。田島さんがそうすべきだと思ったら、それでもいいでしょう」
恭子先生の答えは冷静だった。

こういう話になると少し厄介だな…そう思った矢先

「その考えは欧米でもごく一部なんだけどね」
陽菜の意見に、ぼそりと不服そうに零した人物が一人。

俺のクラスメート・朽木アリス。
母方からイギリス人の血を引く彼女にとっては、陽菜の言葉が癪に障ったようだった。


「マイノリティーは無視するの?」

 陽菜にもその声は聞こえたようで、むっとしたような声で反論した。

「じゃあ、あなたやってみなさいよ!」

 アリスはさらに苛立ちが増大した、というように返した。

「そうだ!」
「おっぱい出してみろ!」
「トップレスだ!」

 日ごろから、あまり陽菜を良く思っていなかった男子たちもこぞって同調した。

「ええ!もちろん、やるよ!」

 一同、どよめいた。

 ポンポン。恭子先生が手をたたいた。
「はい、授業」

 温厚な恭子先生もこの状況にちょっとイライラしているようだった。

…陽菜「やる」と言った時の表情を見ると、多分、自分ではやるつもりはなかったけどただ言ってみただけだったような気がする。
 それなのに引っ込みがつかなくなって…
 
 ああいう理念先行の人には、ちょっと現実を味わってもらった方がいいような気はするが、それはみんなの前ではかわいそうだと思った。
 別途何か考えることにしよう。


多少の波乱はあったが授業は何事もなく終了した。
「次からの水泳の授業は、水着は自由です。特に女子は、過激にならないように気をつけてくださいね」
恭子先生がそう言って授業は終わる。

俺のクラスの女子は陽菜と一触即発のムードが漂っていたが、委員長が食い止めて事なきを得た。

俺も戻ろうとしたとき
「佐々木くん、ちょっといいかな…」
クラスメートで水泳部の椎名樹里に呼び止められた。

彼女が高校競泳界でちょっとした有名人なのは、俺もよく知っている話だ。

樹里は何か、思い詰めたような顔をしていた。
何か心配になってくる。

「どうしたんだ?」
「佐々木くんって、女の子の水着、どんなのが好きなの?」

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