続・全てが叶うスマフォ 15
…というより、今は設定にこだわる必要はなかったかもしれない。
由希や委員長と話をしているうちに、茜は自然と笑顔を見せ始めたからだ。
2人を一緒に連れてきて正解だったな、と俺は思った。
「で、茜ちゃんは「校内バレーボール祭り」はどの種目にする?」由希が聞く。
「大丈夫!真純先生が私たちのために放課後「バレー教室」してくれるから心配ないよ。お茶とお菓子も用意してくれるし…」委員長が続ける。
「う〜ん…聞いただけじゃわからないな〜…」
困ったことを言いつつも、茜の表情は明るく、どこか嬉しそうだった。
「明日のHRで決めるんだよな?」
「そうだよ」
俺が言うと、委員長がそう答える。
「じゃあ茜、明日から学校に来ないか?クラスの皆、お前が来るのを待ってるんだ」
俺が言うと、由希も委員長もうんうんと頷く。
「そうだね…頑張るよ」
茜の顔には、しっかりとした決意が見えた。
そして茜の家を後にし朝を待つ。設定で「授業を中止し1日中HR(「校内バレーボール祭り」の準備)」と入力してあるので「校内バレーボール祭り」の種目決めとユニフォームデザインの決定・バレーボールの練習に充てられるだろう…
念のため茜が元気な顔で学校にくる、という設定を通して、スマホを鞄に仕舞う。
「茜、明日来てくれるといいな」
「大丈夫だよ。絶対来るよ」
隣の由希は自信たっぷりに答える。