続・全てが叶うスマフォ 11
どうすれば…そうだあの手があった!俺は設定を試みる。
「「一宮梓」はプログラムの存在を忘れてしまう。プログラムに関する記憶も消えてしまう。」
と設定。設定は通った。後は梓に携帯を渡し反応を見る…
「はい」
梓にスマホを手渡す。
「あ、ありがとう…」
少し照れて、赤くなった顔が可愛いかった。
あの委員長の妹なのだから当然かもしれないけど。
早速、梓はスマホで何かの操作を始めた。
俺は気付かれない程度にそれを観察する。
梓の表情は変わらない。
さっき設定した『プログラムの存在を忘れる』がその通りに実行されたのだろう。
俺はそれを見てその場を後にする。
ついでに、梓が可哀想なことにならないよう、『上半身裸』の設定は解除しておいた。
そして、梓も、無事に制服の採寸を受けて、明日、新しい制服を受け取れることになった。
俺も、当然採寸は受けた。
そうして、安心しているところで、突然スマホが振動した。
『[一宮梓]アプリ ヘルプ起動』
ヘルプなんてあったのか?
確かに、右上の方に[?]というアイコンはあることに今気付いた。
そうだよないくら記憶が消えても「最近使ったアプリ」に見慣れないアイコンがあったら“なんだろう?”と思うよな…
俺は、プログラムそのものを消さなかったことを後悔した。消せば、今度こそバックアップは出てこないはずだった。
『[一宮梓]命令履歴 閲覧』
やばい、俺が入れた命令が見られる。
『この間に入れた命令は不可視にする』等の措置は取っていないから。
『[一宮梓]命令一件 解除』
それっきり[一宮梓]で始まる情報は、送られなくなった。
当然『今後本スマホから発せられる命令もすべて佐々木一郎のスマホに転送する』という命令が解除されたのだろう。
俺はそれを復活させる、または俺が命令から影響を受けないようにするいろいろな命令を試みたが
『権限不足』等で蹴られた。
やっと
『一宮梓のスマホの命令により佐々木一郎が何らかの影響を受けることになる場合はアラートが出る』
という命令は、通った。
まあ、とりあえず、これで不意打ちは、避けられる。
『命令履歴の転送』は実行されていた。思ったより長いテキストだ。
梓が何をしようとしていたかは、分かるはずだ。
何をしようとしていたにしても、その記憶は失っているはずなので、再びそれをやろうとするには時間がかかるだろう。
暇なときに少しずつ読んでみよう。そしてゆっくり対策を考えよう。