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性先進国
官能リレー小説 - その他

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性先進国 23

 邦夫は朦朧としながらも応募フォームに記入し、送信した。すると、驚くほど早く、人が書いたとしか思えない返信メールで「今日午前10時以降に面接に来られる時間はありますか?普段着でいいです」のような返信が返ってきた。
 “この時間に返信があるなんて、よほどブラックなのだろうか…”と思いながらも邦夫は「10時に伺います」と返信した。

 ちょっと寝て、シャワーを浴び、普段着、の言葉通りTシャツとジーンズで、邦夫は指定されたビルに10時ぎりぎりに着いた。
 エレベーターに乗って目的の階に着き、邦夫は「ロゼッタニュース」と書かれた扉をノックした。
 「はいぃ〜」
 間延びしたような女性の声がした。
 「あの、セクロス訪問の件で、面接に伺ったのですが」
 「はいぃ〜どおぞぉ」
 扉は開き、Tシャツジーンズ姿の女性が出迎えた。
 「じゃあ、ここに座ってて、ちょおっと、待っててくださいぃ〜」
 邦夫はその部屋の隅の方の椅子に案内された。
 雑然とした、賑やかな部屋。微かに何かの臭いがする。多くの机は紙で占領されている中にカップラーメンのからがあり、壁際には寝袋らしいものがいくつか無造作に置かれていた。
 さっきの女性が邦夫に麦茶を持ってきた。
 その女性は、邦夫が応募条件を満たしているかを簡単に確認した後「あなたは、何でセクロス行きに、応募したいと思ったのぉ」と聞いた。
 彼はそれは用意している。しかし、ここに来るまで面接官は男性と思いこんでいたので彼はやや口ごもる。
 「はい、セクロスにある…その、いろいろな噂を、自分の目で…確かめてみたいと…思ったからです」
 その時、後ろのドアが荒々しく開いた。
 「あの、電話した、田嶋ですけど!セクロス行きの応募資格、男性の性自認があること、ってどういうことですか!何で女性は行けないんですか!差別じゃないんですか!」
 邦夫は、そんなことをいう人は、確かにネット上の話としては、いるかも知れないが、リアルにいるんだ、とちょっと驚きをもって聞いていた。

 「まあ、まあ、落ち着いて下さい。お電話頂いて、主催者に問い合わせてまして、けっこう前向きな回答もらってます。そういうことでしたら、セクロスが、女性にとっても住みよいことを、知っていただくため、是非いらしてください、と」
「わかりました。では私たち二人はセクロス行きの参加を希望します!!」
二人、という言葉を通り、ドアを開いた女性の後からもう一人女性が入ってきていた。
「やったじゃん陽芽(ひめ)。私たちセクロスへ行けるかな」
初めの女性が眼鏡を掛けた、いかにも気の強そうな真面目なタイプという風だったのに対し
二人目の女性は見るからに陽気そうな女子というタイプだった。

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