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性先進国
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性先進国 25


「皆さん初めまして。私はね、こういうモンです」
そういって渡辺が邦夫たちに渡した名刺には『フジワラ観光 東京出張所所長 渡部洋太』と書かれていた。
「私が今回の旅のツアーコンダクターを務めさせていただくわけでしてね。
 どうか皆さん大船に乗ったつもりで旅をお楽しみください。」

…礼儀正しいはずなのに妙に胡散臭い男だった。
聞いたことのないツアー会社ではあったがセクロス観光省という公的機関の後援があるならば
もっと違うなタイプの人間を邦夫は想像していた。
しかし渡辺はラフな格好に身を包んだ公的機関などとは無縁そうな人間だ。それに
「うわぁ、大きい方ですねぇ」
「あはは、昔はそうでもなかったんですけどね。何度もセクロスに行っていたらこうなっちゃったんですよ。」
例によって渡辺と話す真琴の言う通り渡辺はかなり大柄だ。
しかも服の上からでも筋肉が発達しているのがよくわかる。
「(…どうみても観光会社の人間って感じじゃないよなぁ…)」
かつて参加した高校の修学旅行の際に同行していた大手旅行会社の人間と比べると
渡辺はまったく異質だった。
ふと陽菜の方を見ると彼女も同じようなことを考えていたらしいのが見て取れた。
 そうして、4人は最初の飛行機に乗る。
 日本からセクロスへの直行便は無い。そのため、まずC国へ向かい、そこからセクロスのフラッグキャリアに乗り換えるのだ、ということだった。
 2人掛けの席は、邦夫が窓側で渡部が通路側、その後ろに陽芽と真琴が座った。

 邦夫には、セクロス首都と、セクロス東部の都市を訪れる行程表が渡されていた。
 渡部は離陸して飲み物が出るころに小声で言った。
 「イテスデン…セクロス東部の都市には、私と伊藤様二人で訪れます。女性陣は、首都で二泊三日なんです…伊藤様に、簡単なミッションを、お願いすることになります」
 「え…ミッションですって…」
 そのような説明は聞いていない。
 「危険はありません。ただ、カメラを身に着けて動画を撮っていただく、ようなイメージです」


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