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性先進国
官能リレー小説 - その他

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性先進国 24

「では、お二人の分の資料を持ってきますので、お掛けになってお待ちください」
そう言って編集部の女性は席を外し、その場には邦夫たち3人が残された。
…初対面の女性二人と一緒というのは普段人と接しない邦夫に気まずいシチュエーションだ。
「貴方もセクロス行きの希望者ですかぁ?」
そんな邦夫に気を使ったわけでもないのだろうが、後から入ってきた女性が話しかけてきた。
「え、あ、はい、そうなんです」
「えー、じゃあ私たちと一緒ですねぇ。お互い行けるといいですよね
 あ、私、真琴っていいます。こっちは陽菜。」
おずおずと答えた邦夫に対して笑いながら返す女性。
単純に誰にでも話しかけるタイプなのだろう。
もう一人の陽菜というらしい女性はどうもと必要最低限の礼儀で返した。
二人とも年頃は邦夫と同じくらい、おそらく女子大生だろうか。


そこに編集部の女性が戻ってくる。
「えー、今そちらの男性の面談中だったのですが、一緒にやってしまいましょう」
少々いい加減な気もするが、女性はそのまま後から来た二人の参加資格確認したあと志望理由を尋ねた。
「では私から」初めは陽菜の方だった。
彼女たちは大学のOGでセクロスに移住した女性の話を聞き、興味を持ったのだという。
「そのOGはセクロスで未婚のまま子育てをして自分の店を経営しているそうなんです。
 しかもセクロスではそういう女性は珍しくないそうで。」
そんなセクロスの女性を見たいというのが陽芽の志望理由だった。
 そして編集部の女性は、真琴に志望動機を聞いた。
 「えっと、私…セックスけっこう好きなんですぅ」
 邦夫は、それを聞いて少し股間が膨張する。
 「でも、それって、日本では、なんか変なふうに、捉えられちゃうから…そういうのが、普通に大丈夫な、セクロスを、見てみたいと、思いましたっ」

未だ童貞である邦夫には少々刺激が強い。
セックスが好きな女性というものがリアルにいるということが邦夫には驚きだった。
そしてそれを発言できるというのは正直もう邦夫には考えることもできない。
限りなく引きこもりに近いニート生活を送る邦夫にとって他人に自分の意思を伝えるというのはそれだけで大仕事だ。
それをやってのける陽芽と真琴は邦夫にとって
「(苦手なタイプかもしれない…)」
邦夫はひっそりと股間を膨らませながらそんなことを考えていた。


 そして邦夫にもいくつかの追加の質問があり、3人は
 「では明後日までに、どっちにしても連絡します」
 という声に見送られて編集部を出た。

 「じゃあ、合格してたら、また」
 エレベーターを降りてビルの入り口で、真琴はそう言って手を振って、二人の女性は邦夫とは反対に歩き出す。邦夫は“何を話そう”と考える必要がなくてちょっとほっとした。
 
 そして、翌日、合格の通知が来た。
 邦夫の親は、邦夫の急な海外行きに大層驚いたが、引きこもったままよりははるかにましなので、その数日後の出発を喜んで送りだした。

 空港に集まった参加者は4人。邦夫の他、女性陣 陽芽と真琴、そして、ひげ面に変な帽子をかぶった男性だった。男性は渡部洋太と名乗った。

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