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美少女戦士 ピュアハート
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美少女戦士 ピュアハート 24

青臭い正義のヒーローごっこから、無残な敗北を知り、望みもしない子を孕まされ…それでも立ち上がろうと、訪ねかける真純の叫びに、弥生はきょとんとした表情をするも、すぐに眼差しを真剣なものに変えて語りかけた。

「結局さ、今は立ち止まれないからね…真純ちゃんがあった酷い目に、より多くの子が味あわされようとしてるなら、私も手は抜けないからさ…それに、他の仲間もたくさんいる、真純ちゃんの他にも必死に痛みを乗り越えて闘おうとしてるピュア戦士がいるなら…私は皆を助けてあげたいんだ…
大切な子供もユートピアムにいるわけだしさ…だから今私はここに来た…もちろん無理強いはしないよ、サスケも死んでるからどうなるかは解らないけど、貴女に闘う気があるなら…これからもよろしくね?」

「弥生さん……わ、私っ…ワタシっ…」

弥生の言葉は真純にかけられたどんな励ましよりも、慰めよりも心に響いていた。 

今すぐでなくてもいい、いずれまた立ち上がろう、と…そう思える強い意志は…暗い縁に沈んでいた真純の心を元に戻すのには十分すぎる言葉だった。 

「わ…ワタシ!負けませんっ!きっとダウナーを全部倒して!もうだれもこんな目に、悲しい目に合わないようにして見せますっ!」

「ふふ…でも無理はしないで?心の傷は簡単には治らないだろうから…また立ち上がったら、一緒に闘おう!」

「はいっ!」

真純の気持ちよい声が病室に響き渡る。 
しかしそれはまた別の戦いの始まりにすぎなかった。 

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レイニーキングダムの中央、アーメフルキャッスル内部…雨が降り注ぎどんよりとした大気に覆われた陰鬱な街を見下ろしながら、チヨメはため息をついていた。 

「ハンゾウの奴ったら、何を考えて貴方のあの皮を使ってたのかしらね…結果的に貴方を蘇らせたのはいいんだけど、コタロウ…私には解らないわ?…コタロウは何かわかる?」

「ううん、解らないなぁ…ただ、あんまり長くはないかもね、ハンゾウの命はさ?」

「な…何言い出すの?コタロウ…」


コタロウは真っ赤な衣装に身を包み、ケーキを食べつつも、チヨメの膝の上で屈託なく答える…コタロウが食べるケーキは人間の悲しみをたっぷりと固めて作り出した涙のケーキ…言わばコタロウの成長を早めるダウナーの成長剤兼高級食品で、それを用意したチヨメも並々ならぬ苦労で悲しみの涙を集めたわけだが、遠慮なくそれを食べるコタロウの顔はどこかつまらなさげだ。

「それからあの僕を産んだママ…ピュアハートはかなり強くなるよ?ハンゾウはそうなれば負けるかもねぇ…それに、あんまり計画はうまく行ってないみたいだしね?」

「ま、まあ…あんな風にちまちま悲しみや絶望の「穴」をあけるだけじゃマザーは蘇らないもの…」

「いや…そうじゃないよ、いくら何でもハンゾウのやり口が粗雑すぎるんだ、もしかしたら目的は別にあって…ハンゾウはそれによるクイーンの復活を狙っているんじゃないかな…」

「ふぅむ…まあいいわ、私もまた動かなくちゃ…ハンゾウにそんな頭があるとは思えないけど、私もやることはやらなくちゃね?」

「やること?何をする気なんだい?チヨメ…」


「ピュアハートの抹殺よ?だってまだコタロウ、あの子の心臓、食べてないじゃない…それじゃあいつまでも不完全なままだわ」

チヨメの怪しげな手つきが広げたコタロウの胸元…その中央部分をなで回しながら、どこか楽しげにチヨメは囁いた。 

「だからまずうんっと苦しめなくちゃね?ハートの事…とりあえず、内堀から埋めましょうか?来なさい?…」

チヨメの視線の先に佇んでいるのはマモルだった…どうやらまた意識を失わされているのか、その目つきは虚ろだ。 

「大好きな男がダウナーになったら…あのピュアリーフみたいに心が完全にへし折れちゃうんじゃないかしらね?フフフ…今じゃ悲しみも搾り取られてゾンビも同然ですもの…ほら、始めるわよ?マモル先輩…あなたの罪深さ、きちんと理解しなさいな…」


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