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侍物語〜サムライストーリー〜
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侍物語〜サムライストーリー〜 6


明け方、寝所を抜け出した静は、中庭にある井戸の前に全裸で降り立つ。
ここで毎日、井戸の冷水で水行を行うのが日課である。
今日は特に女として火照った身体を冷ます為、念入りに水を浴びる。そして、水行を終え、道着に着替え髪を後ろで纏めた静は、女の顔から、母の顔、道場主の顔に戻っていた。
そして静かに正座し瞑想に入る。
ガランとした広い道場は一人でいるのは薄寒い感じがするのだが、この時、静は・・・この道場が十数年後に自分と娘達がそれぞれ虎太郎の子を十数人も産み、道場が子供達で活気付く事になるとは思いもしなかったのだ。


その少し後、長女の瑞希も朝の日課である水行を行う為に井戸の前に裸で降り立った。
ここで一人で水行をして、母と2人で鍛錬するのが日課なのだが、今日は井戸の前に先客がいた。裸になった理緒と珠美が水行を始めようとしていたのだ。
理緒は女の子らしい事が好きで稽古嫌い、珠美も外に楽しい事があるから稽古に熱心では無い。
その2人が瑞希を強い意志の籠もった目で見つめていた。
「ねえ様、私も珠美も今日より毎日稽古します!・・・ねえ様、稽古をつけて下さいっ!」

瑞希は嬉しくなって妹達を抱きしめ破顔する。何時も冷静で表情を表さない瑞希にしては珍しく、それ程妹達のやる気が嬉しかったのだ。

その後、道着を身に着けた3人は母の待つ道場に入る。
静も久々に3人の娘が揃った事に微笑むと、稽古の開始を告げたのだ。

明け方近くまで静と楽しんだ虎太郎は、竹刀の音で目覚めた。
寝床から出て着替えを済ませ、竹刀の音のする方に行ってみると、静達の稽古の様子が飛び込んできた。
理緒と珠美は剣士として稽古不足や経験不足が見え実力的にも物足りないないが、時折素質を感じさせる動きを見せていた。
それに対し、瑞希は実力、才能共々素晴らしく虎太郎も感嘆する程だった。
そして、静は流石に道場主らしく、その実力は虎太郎自身も己とそう変わらないと思う程で、男女としても、剣士としても共にいたいと思った程だった。

しばらく稽古を眺めていると突然道場の門が激しく叩かれた。
この道場は長家の裏側にあって、静達の住居は長家側から入る構造になっている。
これは、長家自体が元々道場の弟子達の住居として作られた名残で、普段静達に用がある人物や来客は長家側から入るようになっていた。
だから道場側に人が来ると言うのは……只ならぬ事態と言う事である。

「珍しいわね。道場破りかしら?」
街中にあんな輩がやりたい放題なため、まともに果し合いを申し込むヤツなどいなくなっていた。

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