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侍物語〜サムライストーリー〜
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侍物語〜サムライストーリー〜 24


翌朝、珠美は鍛錬に現れなかった。
昼になるというころ、虎太郎は眼を覚まし、水を浴びようとしたが、人の気配を感じ、振り返った。そこには忍び装束に身を包んだ人がいた。顔のほとんどを包帯で隠し、長い黒髪がポニーテールにされてちょこんと乗っている。
「虎太郎殿、急な仕事なのだが、引き受けてくれないか?」
「焔(ほむら)か人の後ろに立つのはやめてくれといったでござろう」
焔の声は男にも女にも聞こえ、性別がどちらなのか全くわからない。
虎太郎は表向きは新撰組に憧れる青年だが本当は新撰組よりも上の組織・龍月の者であった。龍月とは会津藩が新撰組と同時に作った組織で主な任務は国の治安を守るのが任務だが、民衆に危害を加える者は例え天皇、将軍だろうと容赦無く斬れる所が新撰組とは異なる所である。
この組織は様々な者達により構成されている。虎太郎は龍月の中で実力は一番である。
焔は繋ぎ役で仕事を仕事人に伝える他に暗殺も営んでいる。
「覚えていたら気をつける。
今回の任務はこれだ。相手の生死はお前の自由だ。今回の我の顔はこれだ。必要になったときは声をかけてくれ」
そういって包帯をはずすと、珠美と同じくらいの年の少女の顔が現れた。これが素顔と言うわけではない。長い付き合いである虎太郎ですら素顔を見たことはない。
指令の書かれた紙を虎太郎にわたし、焔はその場から消えた。

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