僕の彼女 3
女装が好きだからって、僕はそういう面ではちゃんとした“男”だった…
苛めを受けていた時は、男子たちにそういうことも強要されてはいたけれど、幸いなことにそういうことだけには開花しないで済んだんだ…
だから麻衣子に初めて迫られた時には、僕は男としての”男“を、奮い勃たせずにはいられなかったんだ…
「海斗…」
麻衣子の唇が吸い付く。
僕にとって、もちろんファーストキス。
それがずっと憧れだった麻衣子が相手だなんて夢のようだった。
「初めては海斗だって、ずっと決めてた」
「えっ?」
…麻衣子はもう処女じゃないと勝手に決めていた。
“僕も初めて…童貞なんだ…”
そう喉まで出かけた言葉を辛うじて飲み込む…
やっぱり男としては、この歳まで童貞という事実は結衣子に知られたくは無かったんだ…
「だから…優しくシテね…」
「…あ、ああ」
優しくも何も、僕だって何も分からないんだけどこう応えるしかないよな;…
いざ始まると、童貞だからとテンパってしまうことはなく、多少戸惑いながらもなんとか麻衣子と結ばれることが出来た。
お互い必死で、締め付けもすごかったので途中から麻衣子のことを考えていられなくなり、そのまま中に出してしまった。
「気持ち良かった…海斗が初めてでホントに良かった」
麻衣子の涙交じりの笑顔は忘れられない。
後で聞いたけど、麻衣子は僕の女装姿が物凄く好きだったみたいで、それでテンションあがって雪崩のように初体験まで行ったみたいだ。
それに家事能力が麻衣子は皆無で僕が得意な事。
グラビアとは言えアイドルとして異性交際は好ましくない事。
特に麻衣子の事務所は枕営業なんて無い上に、麻衣子は期待されてるから異性交際は事務所が駄目だって話で色々と僕は好都合だった訳だ。
なので僕は麻衣子の家で専業主婦のような生活を送る事になった訳だ。
因みに僕は普段からストレートのロングへアで前髪も揃えてるし、服装は常に女装のままだし、下着とかも女物。
胸はパットで多少盛れば、まず僕を男と認識する人はいないぐらいだ。
声も僕の場合、声変わりしてないし喉仏も未発達なので女の子の声だし、身長も小さく華奢で体格も女の子並み。
麻衣子の方がモデル体型で背が高いぐらいだ。
つまり、僕が男であるのは裸にならない限りバレないし、あの高校での虐めの結果、副作用的に女っぽい仕草も身に付いたので多分麻衣子より女子力高い自信はあるぐらいだ。