僕の彼女 17
イッタんだ…
そのことに僕はちょっと安心する…
やっぱり男としては毎回麻衣子をイかせてあげたいところではあるんだけど、なかなかそうもいかないのがセックスの難しいところだった…
「麻衣子…僕もイクよ…」
ぐったりと意識を飛ばした麻衣子の身体に向かい、僕は激しく腰を打ち付けた…
先にイってしまったからその反応はうかがい知ることはできないけど、僕も満足した気分で達することができた。
まあ、朝からこんなに激しくしちゃうのはよくあることでね…
そうすると行動開始は遅くなっちゃうのが通例。
結局お昼前までまったりしちゃうのだ。
「今度の温泉旅行だけどさ」
「あ、もう決まったんだ」
「うん、こじんまりしたお宿でね、私たちの貸し切り」
「ああ、そうなんだ」
「でね、ちょうどオフが一緒の事務所の子も一緒でいいかなぁ、なんて」
「それゃあ僕は構わないけど、そんな子と一緒で、僕が男だってバレやしないかな?…」
世間的にはあくまでも僕は女…
今までいくら仲良しの友達にでも、麻衣子はこの秘密を打ち明けたことなどは無かったのだ…
「うん…やっぱり温泉ともなると心配ではあるよね…」
それはそうだ…
僕のことを女同士だと思った友達は、絶対に一緒に温泉に入ろうって誘ってくるだろうしな…
「女だから、一緒に温泉に入らない方法もあるの。生理ってことにすればいいし」
「僕はどんな立場で参加すればいい?」
「付き人でいいわよ、マネージャーは男の人だし」
麻衣子が酒の席でセクハラにあったり女風呂の盗撮やスマホの盗難を防ぐためにも同行した方がいいかもしれない。
ミニバンで車内が満杯になりつつも現地に到着すると、宿帳には杉原海と書くことにした。
麻衣子の事務所はそれほどの大手ではない。
僕が女装男子と知っているのは社長や幹部、麻衣子の先輩と後輩グラドルでも数人ほど。
「海くん、大丈夫?」
今回の参加者の一人、朝比奈翼さんがそうだ。
「はい、何とか」
「メイちゃんだけじゃなくて、私も、いつでも頼りにしてね」
「ありがとうございます」