声のお仕事なんですが。 49
「あっ;…“わ、分かる?”って言われても;…」
しどろもどろになって頬を染める裕太くん…
当然私たちの言っていることは予想はついているんだろうけど…きっと確信が持てないのね…
「ふふ、そんな汗かいちゃって…そういう経験はあるんでしょ?…」
裕太くんが黙ってしまう。
何かいけないこと聞いちゃったかな?
「ホテルだと1対2だと変だよね、私の家にしましょ」
「ああ…麗ちゃんの家ね」
新人の頃はよく遊びに行った思い出がある。
クリスマスとか、独り身だと声優仲間集まってパーティーとかやったなぁ。
男の子もいたっていうのに雑魚寝して、まるで学生状態…
何も無かったっていうのが今では考えられないけど、凄く楽しい思い出だよな…
「麗ちゃんはあの頃の仲間と、今でも付き合いあるの?…」
「なかなかね…男の子はほとんど声優辞めちゃったじゃない…」
「あっ…そうなんだ…」
あまり男の子と連絡とることなかったから、正直そこまで深くは知らなかった。
スタジオでもあまり会わなかったけど…みんなあきらめちゃったのか…
「女子はなんだかんだで続いてるよね」
「私みたいに裏持ってる子もいるけどね」
「それは言わない」
麗ちゃんの住むマンション。私のとこよりちょっと広め。
「どうぞ、裕太くんも入って」
「あ、はい…」
「裕太くんは一人暮らしなの?…」
「あっ、いえ…;実家で…」
「あらぁそれじゃ不自由ないのね…」
「そんなことも無いですよ…違った意味では不自由だらけで…」
「ん?…違った意味って?…」
「あっ;…まあその;…」
「ふふ、それって…性に関してのことかしら…?」