声のお仕事なんですが。 48
「でも、私もこういう男の子好きだな」
「麗ちゃんも?」
「うん、素直で優しい子だもの」
麗ちゃんと私で裕太くんの両脇を挟み、スタジオから出て並んで歩く。
とりあえず、まずは3人で食事しよう。
「僕なんかでいいんですか…?」
「君だからいいのよ」
「そう言って貰えるのは嬉しいんですけど、僕はお二人が思っているような男じゃないと思うんですけど…」
それって謙遜しているの?…
裕太くんの意味深な発言に益々興味が湧いてしまう…
「あらぁそうなの?…それじゃあ裕太くんがどんな男なのか、ゆっくり教えて欲しいはぁ…」
「ううん、そういう普通な子の方が好きだな」
「この業界いろんな人がい過ぎるからね。それこそ個性が強すぎる人多いじゃない」
裕太くんとともにちょっと小洒落たレストランへ。
「こんな店初めてですよ…」
「まあまずは軽くお腹を満たしましょう」
「あっ、はい;…」
凝縮しながらテーブルに進む裕太くんの背後から、私は麗ちゃんと一緒に裕太くんの身体を観察…
「ふふ、流石リコのお眼鏡に叶っただけのことはあるはぁね…あのお尻なんてキュッと小さくて…メチャクチャ美味しそうだぁは…」
「でしょ…裕太くんって脱いだらきっと、細マッチョタイプだと睨んでいるんだけどね…」
よそよそしく、恥かしそうな顔をしながらも裕太くんは自分のお腹はしっかり満たしている。
さすが若い男の子だとよく食べるもんだね、これだけ線が細いのに。
「リコ、いいお店のチョイスね」
「智美さんが教えてくれたの」
「しっかりお腹も満たしたら、次は、わかるよね?」