声のお仕事なんですが。 46
「へぇ〜リコがねぇ〜…なんだかキャラ変わったんじゃない?…」
「そう?…そんなこと無いってぇ」
「ううん、前とはぜんぜん違う…少なくとも“棒姉妹”なんてことは絶対に言わ無かったもの…」
確かにここ最近で何かが吹っ切れたのは自分でも分かる…
それと同時に、性に対しても凄く開放的になったのも…
私が愛莉ちゃんに対してお姉さんぶった事を知らないから当然だ。
でも、今回も智美さんに頼めばいい。恋人がいなくても日夜頑張っているスタッフがいるし、麗ちゃんが後ろ向きなままでは一緒に仕事がしにくい。
彼女の信任を得られれば、もし移籍を考えた時に引き入れやすい。
今回も呼ぶ男性は一人にするのは、二組にすると相手の方がよく見えたりとこじれる可能性と、彼が満足できない時はフォローできるからだ。
「麗ちゃんの方がここからお家近いんだっけ?」
「どんな人を呼ぶの?芸能人とかはまずいし」
「スタッフな場合が多いから、打ち合わせって言い訳も立つから大丈夫」
麗ちゃんと一緒に彼女の部屋に行くと、以前のように智美さんに連絡する。すぐ来れて満足できそうな人材をお願いした。
二人で部屋を片付けながら訪問を待つ。
「リコはこういう事…慣れているんだね…」
麗ちゃんが感心したように私の顔を見る…
「そんなことないって…ホントここ最近なんだよぉ〜;」
本当にそうだった…
あの旅行で信行さんと寝る前は、もう何年も男とは関係を断ってはいたのだもの…
「そうなの?…それがどういう心境の変化ぁ?…」
「うん…やっぱり私も“女”ってことかしら?…普段一緒に働く男の子がどんなモノ付けているか…女としては気になるのよね…」
「さては、現場の子でイイ子を見つけたのか?」
「ちょ、それはやめてよ…そんなんじゃないし…」
麗ちゃんが背後から私の胸を鷲掴みにするのを、必死で抵抗する。
こんなとこ見られちゃったらどうするのよ。
スタッフとか共演の男の子に…
「じゃあ、あの彼にする?」
「えっ?…それって誰よ?…」
麗ちゃんと一緒の仕事も久しぶり…
“あの彼”…と言われても誰のことを言っているのか見当も着かなかった…
「ほらぁいたじゃない今日の現場に…あの子がいいって先輩にお願いしたらぁ?…」