声のお仕事なんですが。 5
洗い場の鏡の前にどっかりと座る信行さん。
その背中は広く大きい。
私も結華ちゃんの姿も鏡には映らない。
「では」
「楽にしてくださいっ」
スポンジにボディソープを付け、泡立てて信行さんの背中を擦る。
「ありがとう、気持ちいいよ」
「ついでですから、前も洗いますね…」
私は信行さんの背中に密着し、スポンジを前に移動させる…
「凄い胸筋ですね…ウルトラマンみたい…」
流石に水泳選手だっただけのことはあるはぁね…
「あらぁ脚の筋肉も凄いはぁよ…」
結華は結華で、信行さんの太股にスポンジを滑らせていた…
「2人ともお世辞が上手で、もう競技から離れて何年と経ってるんだよ…」
「それでもお変わりないのは素晴らしいです」
「うちの父親と同い年ですよ、見習ってもらわないと」
…結華ちゃん、マジかい。
「……あっ」
「どうした?」
結華ちゃんが向けた視線の先。
信行さんの黒光りするようなソレは天を向いてたくましく反り立っていた。
「いい歳して…お恥ずかしい…」
信行さんはソレを両手で覆い隠す…
「あらぁそんなこと無いはぁ…とても立派で驚きました…」
手の平では覆いきれない亀頭先端が覗き出ていた…
「いや、最近抜いていないもんだから尚更;…」
「あらぁあんな素敵な奥様がいるのに?…」
「やっぱり思春期の息子が2人もいると、そうそう出来るもんでもありませんよ;…」
ああそれって早くに子供を作ってしまった夫婦の悩みでもあるのね…
思春期の息子って、あまり自分の親には“性”を感じたくは無いものだろうし…
「それじゃあ今回はよかったのかしら?…多分息子さんたちも気づいている筈よ?…」
「アイツらはそれどころじゃありませんよ…何たって自分の一大イベントが行われる訳ですからね…」