Infinity〜若社長とグラドルたちの日常 16
「ところで、今日、お泊りしてってもいいかな?」
「そのために来たんじゃないんですか?」
「へへ、当たりー」
「最初から分かってましたよ」
「麻衣子ちゃんとか、理沙ちゃんが泊まったって話をしてたから」
「皆さん都合よく利用していくんですよ」
「それは賢ちゃんが愛されてる証拠だよー」
「ホントなんですか、それ」
「じゃ、お風呂使うねー」
桃はそう言うと、浴室へと向かった。
「…皆さん考えることが一緒だなぁ」
賢太郎は苦笑いで嘆息した。
桃が風呂に入っている間、賢太郎はテレビを見てくつろいでいた。
「(でもまあ、一人きりよりは楽しくていいか)」
「ちょっとー!!賢ちゃん、何で入ってこないのー?」
桃が浴室から抗議の声を投げかけてくる。
「…いや普通、桃さんが入ってたら入りませんよ」
「そーゆー問題じゃないよー。賢ちゃんの背中流すのにー」
「子供じゃないからいいですよ」
「いいの!文句言わずに入ってきてー」
気は向かないけれど、このまま無視したら怒られるし、いつまでも中に入ったままだと思ったので、賢太郎は仕方なく腰を上げ浴室へ向かった。
「はいはい、早くいらっしゃい」
脱衣所に向かうと、浴室への扉が開けっ放しだった。
「いや、そこは普通に閉めましょうよ」
「むっ、そういって、逃げる気はなかろうな」
「そんな気はないですよ」
「では早くいらっしぃー」