Infinity〜若社長とグラドルたちの日常 103
車はさつきの自宅に向かう。
さつき「それにしても、瀬田くんと宮津さんが結婚するとはね」
あんり「うふふ、意外でした?」
さつき「そりゃあ、高校生でねぇ」
あんり「賢さんはとても優しくて、私のことを気遣ってくれて、かっこいい人だったから」
さつき「それはわかるわ。私も、瀬田くんに一目ぼれしてたから」
あんり「先生もですか〜」
賢太郎「二人とも…」
そう言っているうちに、さつきの自宅に到着する。
あんり「先生の部屋、広いですね・・・。」
賢太郎「そうだね。」
さつき「1人暮らしでは、少し広過ぎたけど。」
さつきは、賢太郎とあんりをリビングのソファーに案内をして、お茶とお菓子の準備を始めた。
あんり「それより先生、賢さん1人だけここに連れて来て、何かしようとしたのですか?」
賢太郎「あ、あんりちゃん・・・。」
さつき「何もしないよ。ただ2人で話したかったの。」
あんり「本当ですか?」
さつき「本当よ。」
あんりとさつきが少しにらみ合いをしたので、賢太郎は、慌ててあんりを抑えようとした。
あんり「賢さんは、私の旦那さんになるんですから」
さつき「うん、知ってる」
あんり「…私のお腹の中には、賢さんの子供がいます」
さつき「うん」
賢太郎「(恵里子さんと愛ちゃんも…って、これは言わないほうがいいか)」
さつき「宮津さん、落ち着いて。私は貴女から瀬田くんを奪おうなんて考えてないから…」
あんり「先生…」
さつき「私は貴女の担任だし、無事に卒業させてあげたいの。そんな気なんて持ってたら、貴女を教えることなんて出来ない…」
さつきの瞳から、涙がこぼれるのが見えた。
あんり「先生、泣かないで下さい。」
あんりは、さつきの傍に行き、ハンカチを手渡して、それを受け取ったさつきは、ハンカチで涙を拭った。
そして、さつきが落ち着いたところで、さつきとあんりがテーブルの上にお茶とお菓子を持って来た。
さつき「はい、どうぞ」
賢太郎「ありがとうございます」
お菓子を食べながら話をする。
あんり「賢さんから話は聞きました。さつき先生が私たちの授業を見てくれるって」
さつき「ええ、二宮さんと水橋さんもね」
あんり「ありがとうございます」
さつき「三人で一緒に卒業させてあげたいからね」