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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 322

部分開放に比べれば、全身開放ははるかに簡単でしかも全身をガードできる。
なんでそれを思いつかなかった!?
オレは自分のマヌケさに、血まみれの拳をどこかに叩きつけたくなった。
もちろんその血はオレ自身のものだ。
内心で怒り狂う中、ローは余裕の笑みを浮かべて元に戻っていく。

「ああ。オレの正体は竜人だ。言ったろ?
 オレの名前は『竜人姫』ローだってさ」
「・・・そう言えばそうだったな」

内心で舌打ちしながら、オレは軽口を叩く。
まったく最悪の展開だった。
こっちは拳がボロボロになるまで打ち込んだってのに、向こうはほとんどダメージなし。
おまけに高位のモンスターと踏んでいたが、まさかドラゴンが正体だったとは。
ドラゴン相手に素手で勝とうなんてバカの極致。
それがわかっていたらもうちょっと戦い方も考えたってのに・・・完全な失敗だった。
だがいくら悔やんでも現状は変わらない。
オレはせめて場の流れだけでも取り戻そうと、再びローに攻撃を仕掛けた。

ガガガガガガッ!

「・・・ッ、痛ぅっ!」

左のみのパンチの連打。
1発打ち付けるたびに痛みが走り、オレは思わず顔をしかめる。
元々ボロボロの手をあの硬いローの身体に打ち付けてるんだから、当たり前のことなのだが。
イメージとしては傷だらけの拳に釘を打ち込んだり、真っ赤に焼けた鉄の棒で突かれている感じだろうか。
ことごとく防がれるオレの攻撃。
しかしオレだって何の考えなしに攻めているわけじゃない。
無謀に思えるこの攻撃にも、ちゃんと意味があるのだ。
血潮の舞う中、オレは静かにタイミングを計る。

「ぬ、おっ!?」

その時はすぐに来た。オレの攻撃に耐えていたローが、その勢いに押されてバランスを崩したのだ。
オレはここぞとばかりに、今まで取っておいた右手を振るう。
それは練りに練った魔力を練りこんだ、渾身の一撃!
だがローは不敵な笑みを浮かべてたった一言。

「バーカ」

今まで封身開放によるノーガードを決め込んでいたローが、両手を使って初めてガードの姿勢をとる。
これではオレの渾身の一撃も通用しない!
・・・まぁ、このくらいの展開はオレもとっくに予測していた。
だからもう1つ、手を打っておいたんだよね。

「!!」

右を防ごうとするローの顔がそれに気づき、初めて顔色を変えた。
彼女の視線の先にあるもの。
それは高速で魔力が練りこまれていく、血まみれの左手!
確かにいくら魔力を練りこんだとは言え、完全防御のローを右手1本で倒せるとは思ってない。
ではもう1本、いやその半分でも魔力を上乗せしたらどうだろう?

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