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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 323

ローの防御力を、ほんのちょっとでも突き破れるかもしれない。
つまり左の連打も、渾身の右手もただのおとり。
本命はおとりである右も加えた、右と左の両手打ち!

「行っきゃあああぁぁぁあぁッ!!」

ゴッ・・・!

オレの雄叫びと共にローに2つの拳が命中。
今までとは違う感触を確かに感じながら、それらを押し出す。
次の瞬間、ローは悲鳴すら上げられずに吹っ飛ばされた。

「「「ロー様ッ!?」」」

まさかローが吹っ飛ばされるとは思っていなかったのだろう。
ラーブラ、ニオルド、トルナの3人が驚愕の声を上げる。
その一瞬の隙をオレは見逃さなかった。
オレは吹っ飛んだローに一瞥もくれず、一目散に狭霧とソウルイーターのところへ走り出す。

「狭霧っ!ソウルっ!逃げるぞっ!!」
「「え?」」

すれ違い様、そう言ってオレは急いでその場を後にする。
突然の逃げの一手に狭霧たちは虚を突かれたようだが、すぐに気を取り直してオレの後を追ってきた。
さすがは内区までやってきた人間。
さすがは大戦を生き延びた強力モンスターと言ったところか。
しかしさすがに納得はできないらしく、狭霧たちがオレの背後から疑問をぶつけてきた。

「おいラグ!何で逃げるんだ!?
 せっかくヤツに一糸報いたと言うのに!」
「そうです!あの方法で行けば勝てたかもしれないのに・・・!」
「・・・悔しいが、そいつは無理だ。このザマじゃあ、な」
「「・・・・・・ッ!?」」

狭霧とソウルイーターの息を呑む声が聞こえる。
当然の反応だわな。このズタボロの拳を見ちまったら。
そう。オレの両拳は、ローとの戦いですでに限界を迎えていたのだ。
幾度となくロー殴り続けたオレの両手は、皮が破れ肉は裂け。
骨はバキバキに折れてしまっている。
正直ここまで来ると、手というより廃棄寸前の生ゴミ状態だ。

「ま、まさか、ローを殴り続けたせいで・・・っ!?」
「そ、そんな・・・。
 いくらローがドラゴンの血を引いているとは言え、ここまで強固なはずは・・・!?」
「たぶん外区で鍛えられたか、ドラゴンの中でとりわけめずらしい種類だってことなんじゃないのか?
 つーか狭霧。早く治療してくれねえか?
 さっきからおまえの治療を期待してるんだが」
「あ、ああ!すまない、すぐにやるっ」

狭霧があわてた様子で治療してくれる中、オレは思った。
もう素手では限界だ。もっと強くならなければ。
それも短期間・・・いいや短時間で済ませなければならない。
でなければオレは・・・間違いなくローに殺される・・・!

――――

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