淫蕩王伝 116
「やられたかもしれない。ねえアナシアさん、未来や過去を見たり、未来や過去へ渡る魔法ってある?」
「時間を飛び越える術など、どのような魔法にも無いはずです。」
アナシアは彼の剣幕に驚きつつも、はっきりと否定した。
するとリュウジュは激怒して叫んだ。
「騙された!!純一の心理攻撃だ!!何が娼婦だよ!何が川に入って石を抱いただよ!!」
「あの、どうしたのですか??」
ただならぬ雰囲気と、話の筋が見えないのとでアナシアは恐る恐る尋ねた。
「実は・・・」
リュウジュは、ライアと共にギルドで受けた最初の依頼の事を話した。
「そんなに沢山の方を抱いたのですか?」
驚くアナシアに、複雑な表情でリュウジュは言う。
「で、それで僕が助けた女の人が皆妊娠しちゃって、村にいられなくなったって・・・。でも、僕がこの世界に来てから、40日も経ってないんだ。どうして純一が妊娠3ヶ月以降のことがわかるんだ?」
疑問を呈するリュウジュに、アナシアは答えた。
「未来がわかるなんて、ありえないです。それに・・・田舎の農村では村の者同士でばかり子供を造っているといずれ血が衰えるので、マレビトと言うのですが、時に旅人などの血を取り込みます。リュウジュさんほどの方の血であれば、歓迎されることはあっても、疎まれたりすることは無いはずです。」
その説明に、リュウジュの表情が少し明るくなった。
「本当なの?それでヨランダさんたちは簡単に僕を受け入れてくれたのかな。」
「それもあると思います。おそらく純一なる魔族の者の言ったことは虚言でしょう。そして私たち聖教団では、エルフほど強固な掟ではありませんが、信徒は教えにより避妊・堕胎は戒められています。」
それを聞いたリュウジュは喜色を浮かべて言った。
「ということは、僕が妊娠させちゃったかもしれない女の人達も赤ちゃんたちも、ちゃんと受け入れてもらえるんだね。」
「はい。おそらくは。」
アナシアは答えた。
「よーし。じゃあ皆を助け出して、次に純一にあったらぶちのめしてやる!」
リュウジュはずっと勃起している剛根を突き上げたまま、決意を決める。
「あの・・・リュウジュさん?」
「え?」
「ご立派なおもちものが、出たままですわ。」
リュウジュは言われてようやく気づいた。
「あはは・・・でもアナシアさんもだよ。」
「え、あ?きゃっ!」
アナシアもパイズリの為に美巨乳を出したままだったのを忘れていたのだ。
2人とも恥ずかしげに、身だしなみを整えた。そして・・・
「手を離さないでね。」
「すみません。私が方向オンチなばかりに・・・」
リュウジュはアナシアの手を引いて、歩き出した。
何とか道に出て、村か町を探すつもりなのだ。
同時刻。城内の一室では・・・
「ハァ・・・リュウジュさんは無事なのでしょうか・・・・・・」
リュウジュとアナシアが攫われて以後、城内の警備はさらに厳重になっている。
リュウジュが逮捕されて以後、ディアナ姫の脳裏に去来するのはリュウジュの美少年顔と、非常に逞しい巨根であった。
「ああ・・・・・・」
ディアナ姫は星空を見ながらため息をついていた。
リュウジュを思い出すたびにあの巨根に跨って快感に酔うことを夢想してしまうのだった。
くちゅ・・・くちゅ・・・
淫らな水音がする。
「はぁ・・・」
リュウジュとその巨根を思い浮かべては、ショーツの割れ目から自らの割れ目に指を入れてオナニーをするのが、ディアナ姫の日課になっていた・・・。
その頃、リュウジュたちは、夜の森の道を慎重に進んでいた。
明らかに普段から人が通っている形跡があるから、獣道などではなくどこかの村にでもたどり着けそうだったが、それがどこにあるのかまるで知らないだけにリュウジュも不安を押し隠してアナシアの手を握り、歩き続けていた。
(リュウジュさんと二人きり・・・これが平和なときであればどんなに幸せだったでしょう。ライアさん、サラさん、ミーシャさん、ヴァレリアさん、皆様ご無事でしょうか・・・神よ・・・)
歩き続ける2人。
「おや、あれは?」
森の道の少し向こうに、光点が見えた。
星空の光とはまた違う。
「もしかして・・・村?」