PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 990
 992
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 992

「和彦さんは?」
「まだ寝ていると思います…出張するって聞いているんですけど」
「ここから出れるのかな?」
「裏口を使えばいいんじゃないでしょうか…匠さんもお仕事ですよね?」

そうだな…
これくらいで仕事を休むわけにいかないよな…

「ちょっと早く出るよ、騒ぎに巻き込まれて遅刻する訳にはいかないからな…,」
理由はどうであれ、部署の皆に迷惑は掛けたくない。

「そうね…おめでたいことなのに、マスコミの人はお父様をよく思っていないみたいだし…」
「えっ?そうなの?…」
「週刊誌よ…お父様の今までの女性関係や、この家の女性ばかりの従業員のことまで…うそ偽りばかりを面白可笑しく書き立てているは…」

出会ってから初めて、香澄の怒りを含んだような言葉と表情を感じた。
…いつも思うが、メディアは好き勝手して有りもしないことを書くものだと感じる。
それが自分と密接する人が対象となると…

「お父様はそんな人じゃない…」
「わかってる…だから香澄、泣かないで…」
血のつながりのない人にここまでの感情を見せる香澄…

自分はお袋に対してここまでの気持ちを寄せられるか?とも考えてしまう…

こんなことを考えてしまうなんて、僕の中で少なからずとも、お袋は本当の母親では無いという蟠りがあるのかもしれないな…

「大丈夫だよ、和彦さんが女好きじゃないっていうのは、周りの皆なら誰でも知っていることだかさ…」

「はい…私が怒ってもしょうがないですよね…」
まだ納得はいっていないだろうが、そんな香澄を宥めようと頭を撫でる。

僕は仕事に行くため準備する。
香澄を心配したのか、恋ちゃんと萌ちゃんが部屋の前にやってきていた。

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す