ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 931
「あれぇ?もう知っていたんだぁ…」
メイドちゃんたちの横の繋がりは強いってことですかね;‥
「それはもう…何たって匠さんの役を啓くんが演じるですよね…」
「ぅえ?…僕の役って…どういうことだよ?…」
「あらぁ知りませんでした?純ちゃんのあの話しは、匠さんと弥生さんの恋愛がベースになっているんですよぉ。」
…それは初耳だ。
僕と弥生さんの話を元にってことは、純ちゃんは弥生さんから当時の話を聞いたってことなのかな?
それなら僕にも何か話があってもいいじゃないか…
「…ということは、由乃さんが弥生さんの役を演じるんだよね」
「そうなりますね」
まあ人妻と高校生の只ならぬ恋の話しと聞いて、何となくそんな予感が無かった訳じゃないけど;…
「でも由乃さんの娘役でヒロインが登場するんだろ?…弥生さんには当時、子供はいなかったんだぜ…」
それが原因で姑にいびられて…夫婦の中が拗れたといってもいいんだもんな…
「ええ、原作ではそんなヒロインは登場しないんですけど、やっぱり客を呼ぶ為の映画会社の戦力じゃないかしら?…」
実写映画ともなると原作にはないオリジナル要素を盛り込むってのも普通だからな。
そのほうが僕にとっては安心するかも。リアルすぎると見てられないよね…
「由乃さんはこの作品で引退するって言ってた」
「なら余計に気合が入ってるんじゃないですかね」
「由乃さんが弥生さんにお会いしたらどうなるんでしょう?」
「このこと弥生さんは…知っているの?」
「もちろん知っていると思いますよ…純ちゃんが作品の参考にしたいって頼み込んで…弥生さんは渋々話して聞かせたんですもの…」
だから僕には言えなかったのかな?…
それで純ちゃんも消えるようにして帰っちゃったっていう訳かぁ…