ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 903
愛苦しい無垢な瞳で僕の顔を見詰めている香さん…
一体僕に何を求めているんでしょうかね?;…
「はいはい;…まだ分からないだろけど…僕がお父さんですよ…」
思わず声に出しながら、香をそっと抱き上げる…
…空気を読んでくれているのか、心なしかニコニコしながら僕を見つめる香。
この好奇心旺盛なところはホントに香澄にそっくりだ。
顔立ちもこちらの方が香澄に似てるし。
部屋の向こう側に僕の服が散乱している。
今着てもいいけど、シャワーも浴びたいかな…
だけど素っ裸で赤ちゃんを抱いているなんて、まるで原始人になったみたいだ…
この先こんな格好で娘を抱くなんて、そうそうないだろうな…
「あらぁ早いんですねぇ…」
そんな僕に気づいたのだろう、半身を起こす純ちゃん…
てかなんで君まで裸なんですかぁ?;…
…確か僕らよりも早く寝ちゃったはず。
僕も大概だけど純ちゃんも相当飲んだわけだから、あの後何かあったわけ?
「匠さんは相変わらずですね」
「そういう純ちゃんはいったい…」
隣で茜ちゃんはまだ寝てますが…
「もぉお〜相変わらず何も覚えていないんですねぇ?…」
相変わらずって;…最近はこんなことも久しぶりなんだけどね;…
「まあそう言うなよ;…久しぶりに皆に会えたから、つい気を許しちまったんだな;…」
気を許したからって、普通の人は裸なんかになりはしないだろうけどな;…