ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 902
「もう昔の話よ」
弥生さんは窓の外を見ながら言う。
外は真っ暗だがお屋敷にはまだ明かりのついた部屋がいくつか見える。
「今が幸せなのだから、それでいいの」
弥生さんは新しいワインのボトルを開ける。
「今夜はゆっくり飲みましょ」
なんだか飲まない訳にはいかないよな…
てか凄く飲みたい気分だ…
「今夜はとことん付き合いますよ…皆も覚悟して下さいよぉ…」
酒に強くは無い僕が酔うとどうなるか…ここにいる皆ならちゃんと知っているもんね;…
………
どれくらい飲み続けただろうか。
弥生さんが主導してワインを飲んで、何時間…
当然僕は途中で記憶がない。
「…うーん」
目が覚めた。
外はまだ薄暗い。部屋の中は静まり返っている。
…みんなは、まだ寝てるか。
「ぅ…寒ぃ…」
僕は恐る恐る毛布の中で下半身に手を伸ばす…
案の定パンツはそこにはなかった;…
僕ったら、またしてもやってしまったのかよ;…自分で自分を呆れてしまう…
いくらしっかりしなければと思っていても、この脱ぎ癖だけはどうにもならないようで;…
…自分の今の状況を確認してみると、案の定というか見事に素っ裸。
セーブしておかねばと思っても弥生さんの勧めには抗えないよね…
その弥生さんと椿ちゃんは寝室だろう。
残る香澄と純ちゃん雪ちゃん茜ちゃん…リビングでスヤスヤ眠っている。
毛布は弥生さんがかけてくれたんだな。
そして我が娘2人…ちょっと、香さん起きてませんか?