PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 89
 91
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 91

「香澄もお帰りなさい。心配しなくていいのよ〜、女の子はこのくらいやんちゃなほうがいいんだからぁ」
涼香さんとやら、香澄ちゃんを抱きしめ頭を優しく撫でる。
それを優しい顔で見つめる杏さん。

涼香さんは僕のほうを見て、またニコリと微笑む。
「想像したとおりのいい男の子ねぇ」
「でしょう?」
…お二人、何を

「香澄の母の、青山涼香です」
「え、お、お母様?」
「はい」
「え、あ、あの、お姉さんとかじゃなくて…」
「いやだぁ〜そんなぁ、嬉しいわぁ〜」
…ええっ!?

マジに驚愕する僕の身体を包み込むように抱擁してくる涼香さん…
これってハグって言うんですよね?…
日本人でこんな挨拶をする人、初めて会いましたよ…

「緊張していますのね…洋服越しに貴方の心臓の高鳴りが伝わってきますよ…」
はい…脇汗が出る程に、目茶苦茶緊張していますよ…

涼香さんが僕のところを離れ、再び面と向き合う格好になる。
「この度は、香澄のこと、ありがとうございました」
「あ、いえ、とんでもないです」
「些細なことで喧嘩して、家を飛び出てしまって、心配になってしまって」
「そうでしたか…」
涼香さんの後ろで香澄ちゃんがばつが悪そうに俯く。

「僕のほうこそ心配だったんです。香澄ちゃんが家出して、ご両親が怒ってるんじゃないかって」
「いえ、そんなことより、喧嘩したのは私たちが悪かったんです。主人も後悔してました」

「そうでしたか…やはりお見合いのことで?…」
「ええ…香澄にはまだ早いのは重々分かってはいたんですが…お相手がかの竜崎家の御子息でしたもので、つい主人も私も盛り上がってしまいまして…」
…かの竜崎家って言うぐらいですから、この青山家さんよりも凄いお家柄なんでしょうか?…

「それで、主人も私も考え直したところだったんです。香澄が本当に好きな人を選んだときを待とうって」
「…なるほど」
それにしては、香澄ちゃんが僕を選んだのは早すぎるような…

「匠さん、あなたについては、桜ちゃんからお話を伺っておりますわ」
桜ちゃん、お母様にも話したんですか!

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す