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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 90

「ご昼食は広間にて御準備いたしますね。柏原さんは何か苦手な食材はございます?」
「あ、大丈夫です。杏さん…そんな気を使わないでくださいよ…」
「いえ私が作る訳じゃありませんから。ここでの食事は総べて、青山家専属の女シェフが腕を振るうんですよ。」
「女シェフ?」
「ええ、ここにはご主人と、庭師である伊藤家のお二人しか殿方は住んではおりません。」
…へぇ?そうなんですかぁ?

…家の中がそんな状況では、啓くんも居づらいんじゃないかな?
…まあウチも親父と僕以外は女だけど。

他のメイドさんも自分の仕事があるのか部屋から出て行く。
僕と香澄ちゃんと杏さんだけになる。
…何か読むものがないかと机に乗った新聞や雑誌を探すが、経済とか政治に関した難しいものばかり。
疎い僕には全くわからないので読む気にもならない…と
「あれ?」
そんな中、一つだけ明らかに違うものが。
「…何故競馬新聞が」
「主人は競走馬のオーナーもされているんですよ」
…やっぱり住む世界が違うな。

「驚かれますでしょ?青山家は江戸初期からの名門中の名門、ご主人と奥様は昨日今日成り上がったやせセレブとは、各が違います。」
…はあ、二人に会うのが怖くなってきましたよ…
「それでもご心配はご無用ですは、私が拝見した限りでは、柏原さんは奥様のお眼鏡に叶うかと…」

やっぱり自由奔放過ぎる奥様ですか…
この家では、何かとお母さんの方が権限を持っているんですかね?…

杏さんや桜ちゃんは僕を立ててくれてるみたいだけど、正直言って不安しかないぞ…

…ん?
今、誰か横切らなかったか?
開けっ放しの扉の向こうに、ひらりと翻ったスカートの影が見えた。
メイド服ではない。明らかに私服だ。

「あ、杏ちゃ〜ん、例の男の子、来たのかしら?」
「ええ、こちらに」
…え、この人がまさか…
黒髪ショートボブ、見た目は香澄ちゃんとそんなに変わらないような…
20代、いやひょっとしたら10代でも通用するんじゃね?

「匠さん、こちらが奥様の青山涼香様です」
…ニコニコと笑顔を絶やさない美人が、そこにいた。

…へぇ?
今、奥様って言いました?
いやいや聞き違いですよね?
そんなぁ〜またまた僕が奥様の顔を知らないからってからかってぇ…杏さんも人が悪いなぁ〜

「あぁ〜お母様ぁ〜心配かけてぇごめぇんなさぁい…」
女性に駆け寄り、抱擁する香澄ちゃん…

またまた香澄ちゃんまで小芝居なんてしちゃって…
誰が見たって、この人が香澄ちゃんのお母さんの年齢では無いのは分かりますってぇ〜…!

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