ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 854
「ああ…そうだよね、沙織ちゃんが頑張ってデータを集めて商品の開発に繋がるんだ。僕もより頑張らないとって思うよ」
もっともなことを言う。ズボンを直しながらも。
「そのために匠くんも身体を張ってるわけだ」
「まあね…」
美月ちゃん、そのニヤケ顔が怖いです。
まあ勃起していたことは気付かれてはいないと思うけど?;…
「私もあなたたちを見習って、頑張らなくちゃいけませんかね?…」
「やだぁ見習うだなんて止めて下さい〜、私は早く美月さんに追いつきたい一心なんですよ〜」
確かに美月ちゃんはこんなことを言っているけど、ヒット商品を幾つも作り出している、この部署ではなくてはならない存在ではあるよな…
美月ちゃんもまた夏子さんに才能を見込まれこの部署にやってきたという。
商品開発に関するノウハウや才能は同い年の僕から見てもすごいものだと思う。沙織ちゃんも言うけどまだまだ足元にも及ばない。
…僕ら男性社員をモデルにさせるのも美月ちゃんの提案だそうで、それは少し困ったことだけどね。
「何か私も手伝う?…」
「いえ、後は画像をはめ込むだけですから…」
画像って…今撮ったばかりの僕のあれですね;…
「それなら匠くんももう解放されたって訳ね…まだ仕事までには時間もあるは、モーニングコーヒー付き合ってよ…」
「あっ、はい…」
行ってもいいものかと、僕は沙織ちゃんの顔をチラリと伺う…
沙織ちゃんはもう体勢を直してパソコンの前に座っている。
「どうぞ、匠さんも朝早くからありがとうございました」
満面の笑みを浮かべて。
「じゃあ…」
僕もようやくスーツを着たところで美月ちゃんと部屋を出る。
幸い股間は収まりを見せていた。