ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 707
全部って;…そんな大量に出したってことですかね?;…
「私のことは気にしないで…私が好きでヤったことなんだから…」
…そんなこと言って…栞、お前って損するタイプなんだな…
「でも嬉しかったよ…ここんとこずっと溜まってたからさ…」
恭介の言う、ずっとやってなかったというのは、きっと梓が妊娠したからだろう。
栞はそんな恭介のことを思って…
「栞ちゃん…」
「ねぇ、この後もしちゃう?」
「…此処でいいのか?」
恭介に対して、栞はねだるように言う…
「それはやっぱマズイよ…もう誰が起きて来たって可笑しくない時間だし…」
それを言うなら、僕が起きてくる前に言うべきだったんじゃないか?…
「おっ!…もう起きてたのか…」
うぁ親父;…
お前らどう言い訳するんだよぉ;…
「…お、親父こそ早いな」
「いやあ、昨夜から気分が良くてな…良い目覚めだった」
恭介と一緒に飲んだんだろうな。
そこでは奴は好青年だったのだろう…
…親父の声が聞こえたのか、栞と恭介の声はしなくなり、バタバタという物音がしている。
「おっ、花木くんも起きているのかな?…」
そう言いながら扉を開け放つ親父…
これはマズイだろ;…
幸い栞はソファーの向こうに隠れたようだった…
それにしても花木恭介は素っ裸な訳だし;…
「なんだ気が早いなぁ〜、何もそこで脱がなくてもいいんだぜ…さぁ風呂行くぞ風呂、って訳だから親父、コイツと風呂入ってくるよ…」
僕は突先に出た言葉により、初めて顔を合わす花木恭介に肩を組み、風呂場に強引に連れていった…