ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 706
…いったい何をしているんですかねぇ。
栞が知っていて梓の知らない花木恭介の気持ちよく感じるところって…2人もそういう関係だったと容易に想像できる。
同じ男を好きになるというのは、やはり血の繋がった姉妹だからってことなのか?
「ああっ、そ、そんなに…」
「我慢しないで、出しちゃっていいよ」
おいおい;…
健全なる我が家のリビングで、そんなことしないで欲しいんですけど;…
まあ僕もそこでは、香澄とヤった覚えはありますから、強くは言えませんがね;
「うぅ;…マジにヤバい…あっ!栞ちゃん!!…」
花木恭介が限界を訴える。
しかし栞はその行為を止めない。普段からどこか意地の悪い、悪戯好きな栞のこと…そして恭介に、梓に、ライバル意識を持っているのか…
「あ、あっ、ダメ、だ…」
「んくぅっ」
栞の行為は手から口へ移行したらしい…くぐもった声が漏れた。
「あぁ!-…あっ……ぃ…ぃ…ぁぁ…ヤバい…ヤバい…あっ…イっちゃう、いっちゃう、イクぅぅぅ…!」
僕もイク前にかなり言葉を発しちゃう方だけど、花木恭介はそれ以上だった。
ギシギシとソファーが軋む音からして、栞の吸引力は相当なものなんだろう…
確か中学時代は吹奏楽部でトランペットを吹いていたから、きっとその影響があるんだろうけど…
…しばらくシーンと、沈黙に包まれる。
花木恭介はすっかり脱力して、栞の口の中にすべてを出し切ってしまったことだろう。
「栞ちゃん…」
恭介の情け無い声が再び聞こえる。
「栞ちゃん、そんな、全部…しなくてもいいのに…」