ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 708
背格好、体つきも僕と同じくらい。
少し親近感も覚えるが、今は反れどころじゃないだろう。
「す、すいません…お兄さん、ですよね」
「まだお義兄さんには早いだろ」
「そういうつもりじゃ…」
手と顎でシャワーを浴びるよう指図すると、恭介は素直に従った。
「なんだかすみませんね…」
「気にするな。でも、君は葵と栞と梓、誰か一人と早く決断するんだな」
“気にするな”と言いながらも、腹が立っていた…
僕の可愛い妹一人ならまだしも、よりにもよって3人だ…
そんな男を庇わなければならなかった、この状況も腹立たしかった…
「あっ;…葵とはもう終わってますから…」
恭介は幾分かはまだ力の残っている股間にノズルを近づけながら、恐る恐るといった感じで僕の顔を覗き見てくる…
そんなに軽々しく終わったなんて言うのもなんだか…
「葵とは…まあいい…栞ともそういう関係なのか?梓を妊娠させて」
「僕は…栞ちゃんのことは…」
恭介が言葉を濁すということは、アタックしているのは栞の方ということか…
女の子に迫られて断りきれない気持ちは分からないでもない…
僕の場合も大抵はそんなだからね;
「でもよぉ、断るべき時はちゃんと断らなくちゃいけないんじゃないか…」
これってなんだか自分に言い聞かすようではあるんだけど;…
「はい…」
恭介のモノはあれよあれよという間に萎縮していく…
本当にそれは梓の中で子種を作ったのかと思えるほどに…
「栞はお前のこと、好きみたいだぞ」
「ですよね…」
「梓の前に、栞とも付き合っていたのか?」
恭介は黙って頷く。
「梓ちゃんとは、初めてのときに…それで、出来ちゃったみたいなんです…」