ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 705
クシュン!…と、自分のくしゃみで目覚めてしまう…
パンツ一枚で寝てしまっていたんだな;…
裸で寝ている花木恭介のことを心配している場合じゃなかったよ;
まあ外もすっかりと明るくなっていることだし、もう起きてもいい頃だよね…
僕はボリボリと締め付けるパンツのゴム部分を掻きながらトイレに向かう。
トイレの窓からも朝日が漏れる。結構眩しい。
でも今日もいい天気だ。朝からいい気分になる。
自分の部屋に戻り適当に服を着る。
たとえ客人…花木恭介がいてももうかしこまる必要はないだろう。
1階に下りる。
まだシーンとして、静かだ。もしかして誰も起きていないのかな?
「ん…ああ、っ…」
…誰の声だろう。
野太いその声は、男のものに違いなかった…
て、ことは花木恭介ってことかよ?…
僕は眉をしかめながら扉の前で耳を澄ます…
規則正しくカサカサと擦れるような微音…それは男だったら誰でも聞き覚えのあるものだった…
マジかよ?…普通、初めて泊めてもらった家で1人Hなんてするかね?
と、突然耳に入ってくる声…
「どう?…気持ちいい?…」
うわぁ!…誰か一緒にいるのかよぉ?
…いや、これは
この声は、僕もよく知っている…
「し、栞ちゃん…そんなことされると、出ちゃうよ…」
「遠慮しないで、私、恭介くんの全部受け止めるよ」
「そうじゃなくて…」
「大丈夫。誰も起きてこないから」
やっぱり栞…か
薄々感じてはいたが、栞と花木恭介の関係を現実のものとして見せられ、僕の中で嫌ぁ〜なものが込み上げてくる…
こんなこと、出来るもんなら知りたくはなかったよ;…
「うぁ…ソコはまずいってぇ!…」
「ふふっ、ココを弄られるのが好きだなんて…恥ずかしくて梓には言えないんじゃない?…」