ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 617
「あの…関係ないとは思うけど、アソコの脱毛ってことで調べてきて貰えるかな?」
こうなったら藁をも掴む思いだよね;
「アソコって…アソコのですか?」
怪訝な顔で僕の顔を見上げる恋ちゃん…
「うん…多分15.6年前のことなんだけど、生えたての少年のソコを永久脱毛した記事とかない?」
「まあ…やってみましょうか…」
恋ちゃんは小首を傾げながら僕の言ったキーワードを打ち込んでいく。
「匠さん…脱毛に興味あるんですかぁ」
「そういう話じゃなくてね」
香澄がおかしな方向に話を持っていこうとするのを止める。
「えーと…」
「何か見つかりました?」
「上条クリニックの看護士のブログあるは…」
僕は首を傾げた。
「上条クリニック?…聞いたことないな…」
「今は駅前にあるビューティーサロンよ…」
「えっ?…あのデカイ自社ビルの?!…」
「ええ、15年前は街の小さなエステサロンに過ぎなかったのよ…」
「そのエステサロンが、鈴田と何か関わりがあるんです?」
香澄が恋ちゃんに尋ねる。
「院長一家が鈴田家と昔から仲がよかったそうです。資金援助?も受けていたみたいですし」
「へぇ…」
2人の会話を聞きながら、頭の中で記憶を呼び覚まそうとする。
…そういや、うちの課の美玲ちゃんが『上条』がどうのこうのという話をしきりにしていたような気が…
「会社の子が言っていたんだけど、そこの院員長って女性なんだろ?…」
恋ちゃんがキーボードを叩くと、今度は数百もの記事が羅列された。
「上条真澄…今ではエステサロンに留まらず、化粧品から健康食品まで手を伸ばしているみたいだはね…」
恋ちゃんがマウスをダブルクリックすると、画面いっぱいに上条真澄の顔が表れた。