ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 560
2階といえども余裕を持って建てられいるのだろう、地面までにはかなりの高さはある;…
いくらフカフカの芝居とはいえ、下手をすれば捻挫だけでは済まなそうに思えてしまう;
もし骨でも折って歩けなくなりでもしたら、それこそ全裸のままで助けを呼ばなければならない事態に陥り兼ねないよな;…
そんなことを考えながら塀に片足を掛けるものの、腰は引けてくる…
揺れる股間も…小さく縮み上がっていた;…
…これしか手段はないとはいうものの、決心するには勇気が…股間どころか心臓も縮み上がる。
しかし…この状況を脱するにはこれしかない、ええい、ままよ!!
「ありました〜!!って、いったいどうしたんですかああ!!」
…君、戻ってくるの早過ぎませんか…
「きゃっ!…」
僕を見上げたまま目を見開くメイドちゃん…
やばっ;片足塀に掛けているから、見えちゃってんだね;…
「ゴ、ゴメン…風呂上がりに涼もうと思ったんだよね…」
まあこれなら言い訳として成立しそうじゃない?…
「でっ、でも、そこって、ソフィアさんのお部屋でしたよね?」
…しまった。
それは知られたくなかったこと…仕方ないんだけどさ。
「あっ…もしかして、貴方がお嬢様の…」
こんな初対面はしたくなかったなぁ…
立て掛けられた梯子に足を掛ける。
これで捻挫も骨折もしないで済むのだから、多少の恥ずかしさも致し方ないのだ…
そう自分を言い聞かせる;
下で梯子を支えてくれている新人のメイドちゃん…
見上げるその瞳には、僕の凄い姿が写っていると思うと、恥ずかしさを越えて申し訳なく思ってしまうよぉ;…