PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 503
 505
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 505

…そっちだったのか!
ここで親父の名前が出たのは予想外だった。

「つまり…鈴田さんは和彦さんではなく、親父と…」
「それは知らない…ただ、鈴田は先生のことが好きだった、ことは確かなんだ」
「じゃあ何故、今のようなことに…」

「ああ、多分嫉妬から来る思いが、過去の記憶を歪ませたのかもしれないな…何と言っても、あの頃は、私の最愛だった操さんを、柏原先生にかっ去わられたんだとばかり思っていたからな…」

「お袋は和彦さんには何も告げづに?…」

「ああ、柏原先生の知り合いの田舎に身を寄せたとか…まさかそこで自分の子供を産んでいたなんて、夢にも思わなかったさ…」

「それが結果的に僕だったってことなんですよね…」
「今となっては、何たる偶然という感じだね。あの頃の自分にそう言ったらどんな顔するかな」

和彦さんはしみじみと語る。

「それで、鈴田さんは」
「彼女も柏原先生が操さんを匿ったことにショックを受けたのか、自暴自棄になったのか、私に再び迫ってきて、だ…」

「それでも関係は持たなかったんですか?…」
「ああでも、あのまま迫られていたら、どうなっていたか分からないけどな…」

「鈴田さんは身を引いたってことですよね?…」
「と言うより彼女…体調を崩してな…療養の為、田舎に行ってしまったんだ。」
「田舎ですか?…」
「ああ、何でも柏原先生の紹介とかで…だから私はてっきり、あの2人は恋仲にあったと勘違いしたのかもしれないな…」

「それって、お袋が出産のために行ったのと…」
「ああ…同じ場所だし、時期も確か…」
…ということは、鍵を握るのは和彦さんじゃなくて親父なのか?

「ところで、匠くんはどうして鈴田の話を…」
「すみません、鈴田さんが、僕にそっくりな息子がいるというので、気になって…」

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す