ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 484
「匠くんにそっくりだなんて、興味深いは…」
「そうですか?…僕としては気味悪いですよ…」
「まあ匠くんはそうかもしれないはね。自分と見た目がそっくりな上、字こそ違えども同じ名前だなんてね…」
「それですよ!何で名前が一緒なんですかね?」
「名付けた人は…一人ってことじゃない?…」
「えっ…あぁ…」
ということは、僕ともう一人の男に、共通の関係者がいるってことだよな。
「共通のある人物が、別々の人間に、同じ名前の男の子を授けた。そして、その2人は、互いに顔を合わさないように育てられた…そう考えるよ」
遥さんは僕のほうを見て、きりっとした表情を作る。
「じゃあ、僕は、そいつに会わないほうがいいんですかね…」
「ふふ、ここまで知ってしまって…会わないでいられる?…」
「あ、いや、それは…」
「でしょ?…もう二人とも充分に大人なんだし、何が隠されていたとしても、それを受け止めるだけの度量は出来ているんじゃなくて?…」
「やっぱり遥さんも…何か隠されていることがあると思いますか?…」
「匠くんは辛いことでもしっかりと受け止める、覚悟が必要ね…」
覚悟…か。
僕はこの数ヶ月前、自分の本当の父親を知った。
もしかして、それ以上に衝撃的な事実を知ることになるかもしれない。
「まあ、これまでにもいろいろありましたから、大丈夫なはずですよ」
「そう?」
…遥さんは知らないんだったな。
「何かあったら言って頂戴、私もアンナも何時だって匠くんの味方だよ!」
遥さんはそう言うなり、僕の片尻をムギュっと握りしめた。
「うぁ!…あ、ありがとうございます。遥さんにそう言って貰えるとマジ心強いすぅ…;」
「でぇしょ〜?だったらぁ今度は私ともヤってよね〜♪」
おい;…そっちかよ;…