ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 483
…そんな話をしていた結果、沙織ちゃん、葉月ちゃん、それに望ちゃんの3人が僕によく似ているという鈴田巧について調べだすと意気込み、それを止めることもできず…
「はぁ…」
「おや匠くん、お疲れかね」
…その望ちゃんの先輩、遥さんの登場である。
「あっ;遥さん…」
あれ以来なんで、会社でこうして会うとやっぱり照れるよな;…
「ふふ、新婚さんはやっぱり…毎晩疲れることしちゃっている訳?…」
「は!遥さん!…まだ結婚していませんし、彼女は今、妊娠中ですから;…」
「だったら私たちもまだ暫くは、楽しめるのかしら?…」
「はぁ!遥ぁさん!!」
話しはすっかり遥さんペースじゃないですか;…
なんだかがっくりきて、力が抜ける。
「どうしたの?」
「いや、ちょっとそういう気分にはならないですよ…」
「…大丈夫?」
遥さんは隣のデスクの空いた椅子に座る。
「草薙望ちゃんって、遥さんの後輩ですよね」
「ああ〜、望に会ったのね?」
「凄い積極的な子で参りましたよ;…」
「そうね、思ったことを直ぐに口に出すから、周りと揉めることも多いのよね…」
「どうしてまた、スズタコーポレーションにいたあの子を雇ったんです?…」
「会社としては、少しでもいいからスズタとの接点を獲たい…そんな所じゃないかしら?…」
「ヘッドハンティングって奴ですか?」
「まあ、それに近いものはあるわね。向こうでも気の強いところは見せていたし」
遥さんは僕の様子を見て、尋ねる。
「何か困りごと?」
「え、まあ、この前のスズタであったことなんですけどね…」
遥さんに、あの男のことを話してみる。