ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 485
なんかややこしい話になってしまった。
周りのみんなは僕に味方してくれるのは心強いが、それにしてもその鈴田巧…似過ぎていて怖い。
本当に彼は僕の…と考えてしまう。
もしそうだったらどうしようか。まったく想像できない。
…帰宅。
今日も香澄が迎えてくれる。
変わらぬ笑顔に安心させらる。
香澄は僕のオアシス…
外でどんな酷いことがあったとしても、ここに帰って来れさえすれば癒されることを覚えておかなくちゃだよね…
「ただいま…」
僕は普段よりも強くハグをした。
「匠さん、今日もお疲れ様です」
手を伸ばして、僕の頭を撫でる香澄。
彼女がいるから、僕は何でも乗り越えていけると思える。
「匠さんに、ご報告です」
「うん、何かな?」
「私のお腹の赤ちゃんなんですけどね…」
「うおっ!おい!!何かあったのかよ;!!」
僕は焦り、大きな声を上げていた。
こないだの無断外泊といい、香澄には無理をさせてきたことへの"罰"でも当ったのかと不吉なことが頭に過る…
「ど、どうしたんですぅ?そんな大きな声だして…」
「それはこっちの台詞だよ!僕たちの子どもに何かあったのか?!」
香澄は笑顔のままだ。
「落ち着いてください、匠さん。悪い話ではないですから」
「あ、ご、ごめん…」
つい感情的になった自分が恥ずかしくなる。
「で、何?」
「うふふ…私たちの子供、どうやら双子みたいなんですよ」